Up!のEVプロトに試乗 VWのEV戦略が始まる

Up!のEVプロトに試乗 VWのEV戦略が始まる

■EVでも世界のベンチマークを目指す

　

開発責任者のDr.ウルリッヒ・ハッケンベルクによれば、E-Up!の市販モデルは、既存のUp!と同様にスロバキアのブラチスラヴァで生産され、現時点では年間3万台を市場に供給する計画だという。より多くの需要があれば、生産量を増やすことも可能だ。ちなみに販売価格はまだ確定しておらず、販売方法もリース販売のみとなるか、それとも普通に販売されるかも決まっていない。しかし、来年の生産開始までに車両重量軽減をはじめ、解決しなければならない問題が多々あるが、関係者の話を聞くとE-Up!の開発は間違いなく着々と進んでいると感じられた。

VWにとってE-Up!を世に送り出すことは大きな挑戦である。ティグアンやトゥーランはすでに成長していたSUVやミニバンのマーケットに慎重に様子をうかがいながら後から参入して成功を収めたが、EV市場は現在まだ生まれようとしている状況でハードだけではないインフラやソフトウエアも関わってくる。確かにVWはE-Up!の開発に際し、三菱i-MiEVをはじめとしたすでに存在しているライバルをハード面で研究はしたが、目指すところはマーケットで包括的な戦略を取りながらコンベンショナルなクルマと同じようにEVにおいても世界のベンチマーク企業となることなのである。