新型NSX発表、価格は欧州スーパースポーツ並みの2370万円
掲載 更新 carview! 写真:Takayuki Kikuchi
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8月25日、ホンダは2シーター・スーパースポーツの新型「NSX」を日本で発表した。価格は2370万円、8月25日から商談開始となる。
3.5L V6 DOHCツインターボエンジンをミッドに搭載し、9速DCTを介して後輪を駆動。同時に後輪側にはエンジンに直結したダイレクトドライブモーターを1基、前輪側には左右独立したモーター2基を備える4WD機構の「スポーツ ハイブリッドSH-AWD」によって、トルクベクタリングの実現や効率を高めているのが特徴だ。
パワーユニットの構成を前から見ていこう。前輪側はツインモーターユニット(TMU)と呼ばれる27kWのモーターが2基配置されている。左右輪を独立してモーター駆動するため、加速はもちろん、減速でもトルクを制御できるのがポイントで、加速旋回時のみならず、減速旋回など様々な状態で高度なベクタリングが実現できる。
リチウムイオンバッテリーとその制御ユニットをパックしたインテリジェントパワーユニット(IPU)は、シートバックの背後に斜めに立てて置かれる。また、3つのモーターを制御するパワードライブユニット(PDU)はセンターコンソールに置かれている。
シート背後のIPUと後輪車軸の間には、507ps(373kW)を発揮する75度のVバンクを持った3.5L V6 DOHCツインターボエンジンが縦置きされる。さらに35kWを発生するダイレクトモーターを挟んで、最後に後輪車軸を跨いで9速DCTが配置される。
スポーツ ハイブリッドSH-AWDが目指すのは、ハイブリッドならではの加速感と、トルクベクタリングをはじめとしたハイテク制御によるオン・ザ・レール感覚で、具体的な効果は下記のようなものだ。
コーナー進入:TMUの回生ブレーキやメカニカルブレーキを組み合わせ、減速エネルギーを回生しつつブレーキング。
ターンイン: TMUが前輪に回生ブレーキ(マイナストルク)を掛けつつ、イン側のマイナストルクをアウト側より強めて内向きヨーモーメントを増大し、エイペックス(コーナーの頂点)に向けたライントレース性能を向上。
エイペックス通過後:加速に転じると、アウト側の加速力(プラストルク)をイン側より強めて内向きヨーモーメントを維持しつつ、AWD状態で加速開始。後輪側のダイレクトドライブモーターは積極的に発電して、前輪側のTMUやバッテリーに電力を供給。
コーナリング後半:TMUが操舵に応じた適切なヨーモーメントを発生しつつ、理想的なラインでコーナー出口へとさらに加速。
コーナー脱出:トルクベクタリングで安定性を確保しつつ、回生&充電エネルギーでモーターアシストして全開加速。
初代NSXでも話題になったアルミボディの技術は、新型NSXでさらに進化している。新型はモノコックではなく、アルミを主体とした複合素材のスペースフレーム構造を採用。バスタブやメインのビーム類に押し出し成型やプレスのアルミを使い、Aピラー周りなどにプレス加工の鋼管や三次元熱間曲げ焼き入れ(3DQ)加工した超高張力鋼管といったスチールを使っている。
そのフレームを覆うボディパネル類もマルチ・マテリアルで、プレス加工やハイドロ成型のアルミ(ルーフ、エンジンフード、ドアなど)、ガラス繊維SMC(ドア以外のサイドパネル類)などが使われている。自動車では初の3DQ技術の導入など話題もあるが、今や2000万円台のライバルではカーボンが多用されつつあるのが現状ともいえる。
前ダブルウィッシュボーン、後マルチリンクのサスペンションはオールアルミ製のアーム類で構成され、ショックアブソーバーは採用例が増えている磁性流体を利用したアクティブダンパーを備えている。ブレーキは前6、後4ピストンのブレンボ製で、カーボンセラミックディスクがオプション設定されるなど、このあたりはスーパースポーツの最新スタンダードを踏まえたものとなっている。
・・・1990年9月に登場した初代NSXから26年、ようやく全貌が明らかになった新型NSX。近日アップ予定の新型NSX・市販バージョンの試乗記に乞うご期待。
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