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BMW初のフルサイズSUV「X7」のプロトタイプに試乗した

HVか? 印象的だったガソリン・ターボの上質な走り

次に試乗したのは、3.0リッター直6ディーゼル・ターボの「xDrive 30d」。アクティブ・ロール・スタビライザーや4輪操舵システムは備わらない“素”のモデルだが、タイヤは22インチという車両だ。アジア仕様だというこのモデルは、確かにダイナミックさでは「M50d」に引けを取るが、クルマの素性の良さが感じられるバランスの良いハンドリングや、BMW本来の乗り味が味わえた。ただ、リアタイヤがステアしない事による大きな回転半径は、アメリカでは問題無いが、日本では扱い難さを感じるかもしれない。

最後に直6ガソリン・ターボを搭載したモデルに、短時間だが試乗することができた。走り出した瞬間から、前2台のディーゼル・モデルとはスムースさや軽快感、そして静粛性が明らかに上回っていると感じた。このクルマはおそらくハイブリッドだったのだが、加減速に違和感は皆無で、極めて上質な走りを披露したのである。これでもまだ開発途中であるということは、1年後の発売時には、どれほどの完成度を見せてくれるのか、大きな期待を抱かずにはいられない。

また、X7は優れたオフロード性能も備えている。今回は残念ながら体験できなかったが、オフロード・モードでは、通常183mmの最低地上高が243mmに拡大。さらに100mmを越えるホイールトラベルや、トラクション状態に応じて100:0~0:100まで変化する前後駆動力配分などにより、卓越した悪路走破性を手に入れているという。

まだ発売まで時間があるものの、今回試乗したプロトタイプからは、BMWが初めて手がけるフルサイズSUVに、どれほど心血を注いでいるかを感じる事ができた。プレミアム性、ラグジュアリー性、快適性、先進性、そして走りの、どの点においても、期待を裏切られることはないだろう。1年後のデビューが今からとても楽しみだ。

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