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ルノー・ウインド試乗! 中身もスゴイ実力派

嬉々としたフットワーク

エンジンはトゥインゴ・ゴルディーニRSと同じ1.6リッター直4。足回りも基本的には同じだが、ウインドにはやや快適性重視の方向に振ったセッティングを与えているという。走りはじめて最初に感じたのは、ステアリングワークにヴィヴィッドに反応するフットワークだ。適度に固めた足と、2356mmという軽自動車並みのホイールベースの組み合わせは、とにかくよく曲がる。ワインディングロードにさしかかると、まるでクルマ自身がその状況を楽しみはじめたかのように、嬉々とした動きでコーナーをクリアしていくのだ。当然、ドライバーの気持ちも自然とハイになる。

そんな楽しさに華を添えるのが、回せば回すほど元気になるエンジンだ。低中速トルクもそれなりに出ているが、このエンジンが本領を発揮するのは4000回転から先。5速MTを駆使して高回転を維持しながら走っているときの痛快度はスペックからは想像できないほど高い。それでも現実のスペックは134psにすぎないから、ガンガン回しても絶対的なスピードはそれなり。スピードメーターを過度に気にせず楽しめるというのは精神衛生上とてもいいことである。

もう一点、感心したのが快適性だ。それも、単に乗り心地がいいという単純なことではなく、随所に“上質”という言葉を使いたくなるほどの豊かで奥行きの深い味わいが宿っているのだ。豊かなストローク感、荒れた路面でのマイルドなタッチ、高速域でのフラット感、クイックだが過敏ではなくニュアンスまで伝えることが可能なステアリング…クルマの本質を磨き込んだ結果生まれる“本物感”がウインドには備わっているのである。

左ハンドルのMT、しかも2人乗りというマニアックなクルマだが、僕は本気でウインドに惚れ込んでしまった。実力、個性、装備内容を考えればコストパフォーマンスもかなり高い。最近楽しそうなクルマがなくてさ…そんなふうにお嘆きの貴兄、いやいや、世の中にはウインドのようなクルマもあるんですよ。

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