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デミオ・デザインの核心はどこにある?

デミオ・デザインの核心はどこにある?

仕切り直しキースケッチ

一端は承認されるも、ちょっとした迷走状態に

役員提案モデルは承認されたわけですが、このモデルでは何を訴えたのですか

「極端に短いオーバーハングとAピラーの“溜め”です。真横から見ると分かりやすいのですが、リアタイヤから上に向かったエネルギーが溜めのあるフロントヘッダーにつながっている。前進感を出すのに前後方向ではなく、上下の動きで見せるという新しい提案でした」

―しかし承認後に仕切り直し、いわゆる「ちゃぶ台返し」をしました。何がいけなかったのでしょう

「ちょっと暴露っぽい話ですが(笑)、まずレイアウト整合があります。特徴である短いフロントオーバーハングが、衝突基準など実際のレイアウトを当てはめると整合がとれなかった。ではそこをどう修正するか、ちょっとした迷走状態に入ってしまいまして……」

―そこで前田育男デザイン本部長ともう一度やり直そうと?

新たに欧州スタジオで描いたスケッチをもとに、フロントの伸びやかさを再度確認しました。そうして仕切り直しのキースケッチができあがります。実はこれ、最初に採用した横浜のスケッチを描いたデザイナーが広島に戻って描いたものなんです」

―なるほど、より量産モデルに近くなっていますね。承認モデルになかったリアの溜めも感じます

「キャビンもタイトなイメージになって、キュッと引き締まっています。リアの凝縮感もここで初めて出ていますね」

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