ゴルフカブリオレ試乗 待った甲斐があった！

走りの“質”に切り込んできた

そして一番驚いたのは走りの質だ。ぶっちゃけこの手の実用オープンはどうしても重く、剛性が低くなる分、シャープさ、クオリティ感は落ち、そこが最大のネックとなる。だが、4代目はここに大きくメスを入れてきているのである。

車重は1470kgでハッチバックより200kg弱重いが、それでも308CCなどより100kg以上軽く、なにより補強が効果的。具体的には転倒時に効くAピラーをはじめ、ボディフロア回りを強化しており、まずそれを感じるのはステアリングの剛性感。オープン時もクローズ時もビシッと正確で揺らぎがない。これが質感に対してデカい。

むろんボディ剛性は微妙には落ちていて、クローズ時に荒れた路面を走ると多少振動を感じるが、スムーズな路面の場合、異様に静かな車内もあってネガをほとんど感じない。実際、走ってて「あれ、これオープンだっけ？」と思った瞬間があるほどだ。カブリオレに乗りながら、なに言ってんの？ と思うかもしれないけど本当に本当だから仕方がない。

それと多少重くなったボディだけど、エンジンにパワーが大きい方の1.4TSI、つまり160psのツインチャージャーユニットを採用してるから全く問題ない。効率のいい7速DSGと、1500rpmから24.5kg-mを発揮する極太低速トルクが相まって、ペダルを踏んだとたんにガツンと飛び出す。燃費も10・15モードで15.4km/Lと問題ナシだ。

唯一ある欠点と言えば、フロントウィンドウを寝かせた分、屋根が近く、特にウィンドウの端がドライバーの目の上にくることだが、ぶつかりはしないので馴れの問題だろう。しかもこれはオープン時はほぼ気にならない。そしてその分、風の巻き込みは日本を走る分にはまず問題ない。サイドウィンドウを上げれば、付属のウインドーディフレクターをつけずとも、時速100km程度までは楽勝で助手席との会話ができる。俺は乗りながら、つくづくこれまた時代の進化だなぁ…と実感した。エコや安全もいいが、快適性の進化ってのも確実にあるのだ。