アウディA8・速攻試乗 超絶クオリティに驚愕!
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:篠原 晃一
振り返れば先代A8は、やはり意欲的な内容ではあったが、乗り心地や静粛性といったコンフォート性能やドライビングダイナミクスの面では、率直に言ってしまえば「メルセデス・ベンツ Sクラス」や「BMW 7シリーズ」といった先達に一日の長を感じざるを得ないレベルに留まっていた。しかし新型A8は、それらの欠点を丁寧に埋め合わせて、且つ長所をしっかり伸ばすことで、いよいよ対等かそれ以上の立場で勝負できるクルマに仕上がっている。
個人的には単に良く出来ているというだけでなく、そのレベルが想像を超えて高いこと、そして走りをはじめとする端々に情感がこもってきたのが何より嬉しい。かつてアウディは声高にエモーションを叫んでいたが、新型A8に関して言えば、もはや言葉にしなくても、プロダクトから十分それが伝わってくるまでに至ったのだ。
勢いがあると言われる昨今のアウディではあるが、決して調子に乗ることなく、むしろ地道な進化によって、いよいよイメージだけでなく本当の意味で戦えるクルマを仕上げてきたのである。
ハードウェアは問題無い。いや、それどころか実力はすでに伯仲している。アッパーセグメントにおいてもイメージは徐々に向上しつつある。それでも一見、変化に乏しい外観がどう受け入れられるかは未知数だが、まだブランドの定着の道のりの途中なのだと考えれば、このぐらいの変わり方はむしろちょうどいいぐらいなのかもしれない。となれば、新型A8の目の前には、大きなチャンスが広がっていると見るべきだろう。
冒頭に記したように、2011年以降のアウディはこのA8を手始めに、多くのモデルを畳み掛けるように投入してくる。この完成度からすれば、アッパーセグメントでも大いに暴れてくれるに違いない。
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