マツダ SKYテクノロジー徹底レポートがスタート
掲載 更新 carview! 文:伏木 悦郎/写真:マツダ、伏木 悦郎
掲載 更新 carview! 文:伏木 悦郎/写真:マツダ、伏木 悦郎
数分走るとアウトバーン。しばらく続く80km/h、120km/hの制限区間で一般的な高速インプレッションを確かめた後、待望の速度無制限区間である。アテンザTPVは、アウトバーンでGT-Rを走らせた時に感じたのと同様の高い走りの質感を備えていた。
ロードノイズについては要改善だが、完全にTPVの状態なので不問に付したい。それを除けば、明らかに軽量化の効果が感じ取れる身のこなしの軽さ、ステアリングのリニアな応答と据わりの良さがある。エンジンは切れ味鋭く官能的にトップエンドを目指す…というのとは少し違う、比較的低い回転域からしっかり仕事をこなす感覚が印象的だ。気がつくと220km/hを超え、その際の安定性、安心感はすでに相当なレベルに達している。
2リッターエンジンは165ps、210Nmほどのパフォーマンスを得ているという。その数値は国内仕様の2.5リッターMZRにほぼ並ぶレベルだ。現状では吸排気音などの官能性能の仕上げや、最高速域での加速性で5000rpmから先が伸び悩むといった傾向に課題を残している。前者は静かだけど味わいを欠くというホワイトノイズ系なので、魅力的な音作りが今後の開発で重要なテーマとなりそうだ。後者は未だ手つかずの空力性能がファクターの可能性が高いので、次世代モデルの空力デザインに期待したい。一方でSKYコンセプトの中核を成すパワートレインやシャシー/プラットフォームのポテンシャルはすでに熟成段階を迎えていると思わせた。
帰路はSKY-G+SKY-DRIVE(6速AT)に交替する。発進のスムーズさはトルコンATならではといった感じだが、ローンチ直後から多板化させたロックアップクラッチをつなぐ一方で、ダンパーを柔軟な方向に改善してN.V.Hなどのネガを潰していく。欧州におけるマツダ6のAT比率は、ガソリン仕様で約10%、ディーゼルについては6速MTしか設定されていない。日本では97%がAT、アメリカでも70%で、グローバルでみても約50%という現実を踏まえると、このあとのSKY-D用にもSKY-DRIVEを設定している点は示唆に富んでいるといえるかもしれない。
SKY-G搭載するアテンザTPVは、往復約100kmの今回の試乗コースにおいて、フラットトルクを背景にした思いがけない低中速域のフレキシビリティ、迫力はないがしっかり結果は残すしたたかな高速巡行性能、そして軽量化の成果が実感できる乗り味などが重なり合って、「あれっ? 何かこれって凄くない…?」後からじんわり感慨が湧き上がる、これまでにない不思議な感覚を備えていた。
次回はいよいよそのテクノロジーを正面から検証していく。工学的素養を試されるけっこうハードな内容だが、しっかり付いてきてほしい!
【次回に続く】
ログインしてコメントを書く
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
高まるダニエル・リカルドに対するプレッシャー「好結果を出し続けなきゃいけない。移籍は考えてないよ」 重鎮マルコ博士はローソン昇格を示唆
日産「“ミニ”ケンメリGT-R」実車展示に大反響! “全長3m級”ボディの「斬新スポーツカー」がスゴい! 幻の「ちびメリ」とは?
MIGRATRAIL のマルチハンガー「ADD HANGER LARGE/アドハンガーラージ」が発売!
5兆円超えって凄すぎ!! 営業利益5兆3529億円! トヨタが日本企業1位に輝いた理由はハイブリッドだった!?
道路に書かれた「謎の▽」 意味はナニ? 大事な意味だけど…意外と忘れがち? 「白い逆三角」の正体とは
[旧型アルファード]新車時は450万円前後だったよね? 中古でも450万円超えってマジ!? 今後はどうなるのよ!!!!
ハチロク乗りもGR86乗りもすれ違ったら敬礼必至! 偉大なるご先祖「TE27」のレビン&トレノが胸熱すぎるクルマだった
最強の「フォルクスワーゲン・ゴルフ」がワールドプレミア! 新型「R」「Rヴァリアント」発売へ
日本最大級のモーターショー「ジャパンモビリティショー」が2024年も開催決定! 10月15日~18日に幕張メッセで「CEATEC」と併催。
ヤマハ『MT-03 ABS』『MT-25 ABS』2024年モデルを発表。新色ダークグレーを採用
【ロイヤルエンフィールド】免許取得&新車購入で最大5万5,000円をサポートする「ライセンスサポートキャンペーン2024」を7/1より開催!
大気汚染で年間4000人死亡! そんな渋滞ロンドンに登場した「信号システム」の驚きパフォーマンスとは
ノアヴォク・セレナ失速とステップワゴン急上昇の理由。次の改良で上級グレード「エアーEX」登場か
【20周年記念車オーナーに激震?】「ゴルフR“8.5”」登場。買い物もこなせる超高速ハッチ
ホンダ新型「フリード」発売 購入検討時にチェックしておきたいポイント&シエンタとの価格差は?
【よく見りゃ大変化!】発売迫る新型BMW「X3」のデザインやお買い得度を現行型と比べた
大幅改良で走りが激変「ヴェゼル」の買いは最上級「Z」の4WD。新設定ハントパッケージの評価は?
日産の新型3列SUV「インフィニティQX80」が米で7月発売決定。打倒レクサスLXとして日本導入ある?
本当にスポーツタイヤ!? グッドイヤーの新作「アシンメトリック6」は静かで軽い“摩訶不思議”な万能選手だった
続々PHEV化で完成するレンジローバーの唯一無二の世界観。その裏で過激なV8モデルも準備中!?
BYDの新型セダン「シール」は乗るとどう? 中華高級EVのガジェット感とコスパは日本で通用する?