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ポルシェ911 GT3 RSとケイマンGT4、富士スピードウェイで徹底試乗【前編】

この日の911 GT3 RSは…

コーナリングも「GT3」とはちょっと違った印象だった。まず単純に、ターンインからして速度が更に高い。918スパイダー用のタイヤと近い構造を採るよりワイドなタイヤに、よりワイドなトレッドのおかげだろう。しかもステアリングは操舵力こそ重めながら、そのぶん饒舌な手応えを返してくるから、狙ったラインに鼻先を滑り込ませるのは容易い。このダイレクト感には、運転がうまくなったかのような錯覚すら覚えてしまう。

もう少し細かく見ていくと、1コーナーではその高い速度を保ったまま、想像以上にクルリと向きが変わった。さすがリアアクスルステアの効果……なんて最初は思ったが、速度域からすれば後輪は同位相に切れているに違いなく、つまりはむしろ高いグリップとそれを活かす明らかに剛性高いボディ、更にはアクティブエンジンマウントなどの効果が表れているのだろう。

正直なところ、この日は特にこの1コーナーは時にオーバーステア気味にすら感じられたが、それだけで特性を評価できない。GT3の伝統でこのクルマもサスペンションのアライメント、リアウイングの角度などセッティングの幅が、まさにレーシングカー並みにとられている。タイヤの内圧設定も含めて、それをコースごとにベストに合わせ込んでいくのが、本来のGT3 RSの走らせ方のはずである。つまり“この日の911 GT3 RSは”、1コーナーでややオーバーステア気味だったという話だ。

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