テスラに乗ってテスラを作っているロボットの製造工場を見学に行った
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:テスラ・モーターズ・ジャパン、編集部
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:テスラ・モーターズ・ジャパン、編集部
忍野村のファナック本社工場へ到着した。富士通グループのFA(ファクトリー・オートメーション)部門が1972年に分社化してできたファナック。ファナック=ロボットの企業というのが一般的なイメージだが、ロボット事業は80年代に入ってから始めたそうだ。それ以前は、わかりやすく言うとサーボモーターを生産する企業だった。モーターとロボットというのが直接的に結びつかなかったのだが、解説を担当していただいた、取締役専務執行役員・ロボット事業本部長の稲葉清典・工学博士に「ロボットというのはモーターとアームの組み合わせなのです」と教えられ、ハッとした。
アームとアームの間の関節の部分にモーターがあり、それらを組み合わせて動かすことでさまざまな動きが可能となる。直線的な動きをさせるには最低3軸(関節部分が3カ所)が必要で、そういうロボットを多関節ロボットという。現在は最大で6軸ロボットまで製品化されている。自動車のエンジンと同様、モーターには減速ギアが組み合わされ、回転速度を減じることで大きなトルク(力)を発することができる。例えば、場内には1.7トンの乗用車を持ち上げ、(組み付け作業などがしやすいよう)さまざまな角度に向けることができるロボット「M-2000iA/1700L」(ページトップ写真)が展示されていた。かつては1トン級の重量物を持ち上げるには油圧を用いていたが、角度を0.001度変えるといった精密な動きが可能な電気モーターを使ったロボットに切り替わりつつある。
このほか、パーツをA地点からB地点へと移動させるロボット、めくるめく速さでスポット溶接をこなすロボット、ランダムに流れてくるパーツをつかんで一定の向きに整えるロボット、自動車のボディを圧倒的な速さで塗装するロボットなど、さまざまな仕事を割り当てられたロボットを見学した。かつて人間が大勢で時間をかけてやってきたことをごく短時間で正確にこなす姿を見て、感動するとともに、ある種の怖さ、気味悪さのような印象も抱いた。特に同社が「ゲンコツロボット」と呼ぶパラレルリンクロボットが、ランダムにばらまかれた状態の3色の錠剤を恐ろしい速さで色別に完璧に仕分ける作業を見て、ロボットと人間の能力を比べても意味はなく(圧倒的にロボットの能力が優れているから)、否応なく人間がロボットを活用するしかないのだと感じさせられた。
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