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シトロエンDS4/C5/DS3レーシングに試乗

シトロエンDS4/C5/DS3レーシングに試乗

C5 エクスクルーシブ・ファブリック=399万円

ハイドラの乗り味はやはり別物…C5

現行シトロエンの日本における最上級モデル、C5にも今回、新デザインのダブルシェブロンのエンブレムが装着されるなどのフェイスリフトが施された。かつては直4のNAに加えて3リッターV6を搭載していたDセグメントカーのC5だが、今ではガソリンエンジンはすべて1.6リッター直4になり、V6はヨーロッパ仕様のターボディーゼルに残っているだけにすぎない。そのなかで日本仕様には、156psと24.5kg-mを発生する1.6リッター直4直噴ターボ+アイシン製6段ATというパワートレーンが搭載される。

 

C5の車重は1620kgと、ほぼ同様のパワートレーンを持つDS4より250kg近く重いが、それを駆使しての加速は思いのほかに軽快で、これなら1.6リッター直4でも動力性能に不満を感じることはあるまいと思った。と同時に、エンジン音に4気筒ゆえの騒々しさや安っぽさが感じられなかったのも好ましい点で、C5のようなミドルクラスサルーンのパワーユニットとして不足のないものに仕上げられているという印象を与えてくれた。

それに加えてもうひとつ、久しぶりに味わったガスとオイルによる電子制御サスペンション、ハイドラクティブIIIプラスがやはり印象に残った。その乗り心地、現代の締まった脚のクルマに慣れた身にはノーマルモードではちょっと柔らかすぎると感じられたほどだが、やや締まったスポーツモードを選ぶと低速でも硬すぎず高速ではフラットな、シトロエンのイメージそのもののライドを味わわせてくれる。DS4やDS5の乗り心地も金属スプリングとしては洗練されているが、はやりハイドラクティブは別物だと再認識した。

というわけでC5、DSシリーズと比べるとスタイリングは今や地味な部類に見えるけれど、こと乗り味のシトロエンらしさに掛けては日本で買える現行モデルのなかで随一のものを持っているという事実を、あらためて実感したのだった。

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