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A8試乗 充実のフェイスリフトの中身とは

これでもかの最新技術投入

安全装備について、もう少し触れておこう。車両挙動が不安定になるとウインドウを閉じてシートベルトを引き込むアウディプレセンスは標準装備。目をひくところでは、自動ステアリング修正機能が付いたアクティブレーンアシストも、ストップ&ゴー機能付きのアダプティブクルーズコントロールなどとセットで、プレセンスプラスと呼ばれるオプションで用意された。

メルセデス・ベンツなどが車線を逸脱しそうになると片輪にブレーキをかけてラインを引き戻すのに対して、アウディはステアリングの自動操舵によってそれを行なっているのが興味深い。ブレーキを使うのにはドライバーに危険を察知させる効果もあるが、ステアリングを自動で操舵してしまうと運転をクルマ任せにしてしまう危険性もある。これには注意喚起としての警告表示などが伴ってもいいのでは?

それでもアウディに期待される最新技術のこれでもかの投入は、洗練されたデザインと相まって、間違いなく追い風になるだろう。欲を言えば、アウディプレセンスプラスは標準装備でも良かった。A8に限らず、アウディジャパンは先進安全装備に対する世のニーズに少々疎く見えるのが気になる。

それでも、特に日本から要望が多かったと言われるラゲッジスペース容量の拡大も図られるなど、好調ぶりにブレーキをかける要素は何も無い。あるいは販売面では、アウディ京橋のような都市型小規模店舗の拡充も、特にこの手のモデルにとっては大きな力になるだろう。

日本ではメルセデス・ベンツSクラスとレクサスLSの2モデルが突出しているラージクラスサルーンの市場で、アウディA8は着々と地場を固めつつある。2014年の販売目標である650台という数字は昨年のほぼ2割増。達成できれば7シリーズの尻尾を遂に捕まえることになる。この野心的な目標、実現の可能性は十分あると感じさせるのが、今回の充実のフェイスリフトである。

【 関連記事:新型A8&S8 新採用LEDヘッドライトに注目 】

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