新 硬派系 V8アストン 公道版GT4と呼びたい
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:アストンマーティン
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V8ヴァンテージSは、アストンとしてはコンパクトなV8シリーズのスポーツ性を際立たせた硬派系のモデルで、ポルシェでいえば911GT3のようなクルマだといえる。とはいえそのスペックは911のGT3ほどスパルタンではなく、アストンマーティンがV8ヴァンテージをベースに競技車両を仕立てて積極的にレースに参戦している、GT3より改造範囲の狭いカテゴリー、GT4のロードバージョンというのが適正な表現かもしれない。実はV8ヴァンテージGT4、ニュルブルクリンクをはじめとする様々な24時間レースでクラス優勝して、2010年GT4ヨーロッパ選手権でチャンピオンの座についていたりする。
ではV8ヴァンテージSはいかなるスペック持っているかというと、まず4.7リッター4カムV8エンジンは吸気系と点火系に手を入れて10psと20Nm増強され、436psのパワーと490Nmのトルクを発生する。トランスミッションはトランスアクスル方式でリアに置かれるシングルクラッチ2ペダルMTの“スポーツシフト”が標準だが、それは6段から7段に進化、しかも油冷式から空冷式に変更されて24kgも軽量化された。MTしかない911GT3とは対照的に、ヴァンテージSには3ペダルMTは用意されない。
シャシー関連では、ステアリングのギア比が17:1から15:1に速められ、サスペンションのスプリングやダンパーが見直されて、標準装着の19インチBSポテンザRE050が前後とも10mmずつワイド化された。それにともなってリアホイールのリムがワイド化され、ブレーキもフロントのローターが拡大されて6ピストンキャリパーが備わった。
ボディにはクーペとロードスターがあり、フロントのカーボン製リップスポイラーと明確な張り出しが目につくサイドスカート、カーボン製リアスカートおよびクーペでは大きくせり上がったリアスポイラーなどによって標準型と識別できる。車重は標準型より30kg軽量化されて、クーペが1610kg、ロードスターが1690kg。加速性能は現時点では公表されていないが、トップスピードは標準型より17km/h伸びて、305km/hとされている。
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