フォレスター雪上試乗 公道で普通に乗ってわかる性能と気になるところ
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:SUBARU 1
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:SUBARU 1
とはいえ200kmの行程を走ってみると、課題が見えてくるのも事実。例えば視界は良好だが、走りのためのインターフェースは新型車の割に意外と整理されていない。メーター、ダッシュボード中央上方、そしてナビ画面といった具合で液晶表示パネルが3つもあるため、かなり雑然とした感覚を覚える。フォレスターの情報視認性はスバルの掲げるプリンシプルにはそぐわないだろう。
さらに付け加えれば、この辺りは他メーカーのモデルではもっと整理が進んでおり、操作系との連携も含めての改善が望まれるポイントと言えるだろう。それだけにステアリング周りのアイサイトの操作スイッチを含むHMIに関しては、より簡単かつ使い勝手の良い「機能としてのデザイン」が今後要求されると思える。
また今回は、凍結もある長い下りの緩やかなワインディングを走ったが、こうしたシーンではAWDとて一度滑るとグリップが回復するまで待つしかない状況に何度も陥ったし、常時全輪駆動でも限界と感じるアンダーステアも多く経験した。
こうした点に関しては他メーカーでもAWDの可能性を引き上げる制御技術が確立されつつある。例えば日産リーフでは、同様の状況でe-pedalを用いるとアクセルから足を離した瞬間から4輪に独立したブレーキ制御を行うため、人間が操作するより最適かつ安定した減速ができる。
今後はこうしたモーター駆動のきめ細かな制御が、従来型の4WD技術を上回っていくことも十分に考えられる。スバルがこれまでのAWDはもちろん、今後の電動化されたメカニズムを用いてどんな答えを出して、スバルならではの総合雪国性能としていくのかは実に興味深い。
今回の雪上試乗会ではスバルならではの総合雪国性能を存分に味わうことができた。ならば、次はそこにどんなテクノロジーやアイデアを組み合わせて、さらなる総合雪国性能を実現していくのかに期待したいところだ。
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