最新テクノロジーで、Sモデルの走りが変化!
掲載 更新 carview! 文:山崎 元裕/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:山崎 元裕/写真:篠原 晃一
「S6アバント」と「S7スポーツバック」のスタイルに共通するのは、リアに大きな開口面積を持つハッチゲートを持つことだ。ここにセダンボディの「S6」に対してのハンデが存在するとするのならば、個人的にはそれは、剛性面や重量面での問題ではなく、走行中の静粛性に、わずかな差異が認められたのみだったと、まずは報告しておきたい。
その一方で「S6アバント」は、後席を使用した状態でも565Lの荷室容量を実現した機能性が、また「S7スポーツバック」には、見る者のすべてを一瞬で魅了するであろう、造形の美しさというものが備わっている。それらの何にプライオリティを置くのかという、カスタマー自身の志向性で、チョイスは変わってくる。
V8ツインターボエンジンの特性は、「アウディドライブセレクト」で、最もスポーティな設定となる「ダイナミック」を選択しても、なおジェントルの一語に尽きる。穏やかな過給特性を持つツインターボ、そしてこれもアウディ独自のノイズキャンセルや、アダプティブ・エンジンマウントといったテクニックを採用することで、その魅力的なフィーリングは生み出されている。前で触れたシリンダーオンデマンドの制御も、通常走行時において、それに気づくことはまずないだろう。
アダプティブエアサスペンションは、実に巧みに路面からの衝撃を吸収していく。日本仕様のSモデルには、通常時に前後で40:60に駆動力を配分する4WD=クワトロシステムに加え、ドイツ本国ではオプションとなる電子制御リアLSDが装備されるため、ワインディングでは、その魅力的なトラクションを我が身に感じながら、コーナーをクリアしていくことができる。
例の重量面でのハンデも、それをほぼ後輪が負担していることを考えれば、ハンドリングマシンとしての魅力は、セダンの「S6」と同等か、あるいはそれ以上という見方もできる。高速域での安定感はまさに圧巻。これぞアウディ流高級車の演出だ。
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