【2度の倒産から再び】「スパイカー」が動き出す。かつての奇才ブランドが復活へ向け準備中

スパイカー C8プレリエーター

復活の鍵を握る“熱狂的な支援者”

今回の復活劇で注目されているのが、オランダのスパイカー愛好家ヤスパー・デン・ドッパー氏の存在です。

彼は「スパイカー・エンスージアスト」の創設者として知られ、長年にわたり同ブランドのクラシックモデルの維持や情報発信を続けてきた人物です。オートウィーク誌によると、デン・ドッパー氏は復活プロジェクトにおいて中心的な役割を果たしているといいます。

デン・ドッパー氏は、「スパイカーは過去のモデルをそのまま復活させることはできない」とも語っています。

かつて人気を集めた「C8 エルロン」や「C8 プレリエーター」は独特の魅力を持っていましたが、いずれも2010年代の設計思想に基づいたモデルであり、現代の市場では通用しないと冷静に分析しています。そのため、新しいスパイカーはデザインや技術面で大きな刷新が必要になると見られます。

一方で、創業者のミュラー氏も「海外のサプライヤーと協力しながら新しい挑戦を進めている」と発言しており、これまでのように少数生産の職人ブランドとしての魅力を保ちつつも、より現実的な開発体制を模索しているようです。

倒産を2度経験したことで、ブランド運営のリスクや資金面の課題を理解しているミュラー氏が、今度はどのような形で再起を図るのか注目されます。