ついに本物の「黒船」に…日本で“専用設計”の「軽EV」発売を予告した中国BYDの勝算はどこにあるのか
掲載 carview! 文:山本 晋也 125
掲載 carview! 文:山本 晋也 125
2025年4月、BYDが「2026年後半に日本専用設計の軽EVの国内導入を決定」という衝撃の発表をしました。まさに日本独自のカテゴリーである軽自動車に黒船襲来です。
いまや軽自動車は日本の新車販売において約4割を占め、メインストリームのカテゴリーとなっています。その内訳をみても軽自動車に分類される輸入車といえば「ケータハム セブン」が存在するくらいで、国産モデルがほぼ100%。
この閉鎖的ともいえる軽自動車マーケットに参入する中国ブランドであるBYDに勝算はあるのでしょうか?
この点を理解するためには、BYDの自動車事業における狙いを知る必要があるでしょう。ご存知のようにBYDのルーツはバッテリーメーカーです。そして、バッテリーを多量に消費してくれるのはハイブリッドやEVといった電動車両です。
乱暴に言ってしまうと「バッテリーの消費を増やすために、自社で電動車両の生産をはじめた」のが、BYDが自動車製造に関わるようになった原点というわけです。
BYDのビジネスモデルとしては、電動車両(≒バッテリー)の販売台数を増やすことが重要です。付加価値を重視した高級EVのほうが利益率は高いのはもちろんですが、それよりも“数を売ること”がBYDにとって重要なのです。
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そうなると、日本での販売台数を増やすことが期待できる軽自動車というカテゴリーに参入するのは自然な判断といえます。軽自動車まで守備範囲とすることで、日本市場での販売台数が1.6倍になる可能性もあります。
(次のページに続く)
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