【逃げられないの？】増殖中の「ゲートなし・ロック板なし」駐車場は、運営者も利用者もメリットだらけだった

画像：アフロ

それでも「フラップレス式」を設置するメリットは？

では、導入コストがそれほど変わらないにもかかわらず、なぜフラップレス式が増えつつあるのでしょうか？

前出の業界関係者は次のように話します。

「運営側の視点で言えば、フラップレス式の方が様々な点でリスクが少ないのは確かです。

例えば、ロック板式では不正出庫を試みたユーザーや規定外のクルマを駐車しようとしたユーザーなどによって、フラップの損傷が発生することがあります。フラップを修理している期間はその車室が使用できなくなってしまうため、駐車場経営にとっては大きな機会損失となります。

また、フラップのすき間にゴミなどが溜まることを避けるために、定期的に清掃を行わなければなりません。

一方、フラップレス式は損傷する可能性が低く、故障した際のメンテナンスも比較的容易です。清掃もしやすいというメリットもあります。

ユーザー側の視点では、フラップレス式のほうが駐車しやすいということが挙げられます。

ロック板式では、ホイールなどをロック板にぶつけてしまう可能性がありますが、フラップレス式ではその可能性が皆無です。特に、近年ではクルマ自体が大型化しているため、より駐車しやすい駐車場が求められています。

フラップレス式の時間貸し駐車場が増えつつある主な要因は、このように運営側とユーザー側のニーズをしっかりと満たしていることにあります」。