最高傑作、アイスガード ファイブの実力とは?
掲載 更新 carview! 文:佐藤 久実/写真:中野 英幸
掲載 更新 carview! 文:佐藤 久実/写真:中野 英幸
体感的に性能向上が確認できた「アイスガード ファイブ」だが、私のフィーリングだけでなく、技術的な側面から性能アップのポイントを解説しよう。
氷上では、路面とタイヤの間(タイヤの表面)にミクロの水膜ができ、これがグリップ力を妨げる。今回、ゴムの内部構造をミクロで制御する新素材を配合したコンパウンド「吸水バルーン」がその水膜を除去することで、氷にしっかり密着し、氷上性能が向上している。
さらに、トレッドパターンは横浜ゴムのスタッドレスタイヤでは初となる「非対称パターン」を採用。アウト側は溝面積を大きくすることで雪中せん断力を発揮、大きくサイズの異なるブロックと異なるサイプの方向でエッジ効果を狙い、雪上性能の向上を図った。一方、イン側は溝を少なく接地面積を大きくし、サイプの密度を大きくすることで氷上でのエッジ効果を狙い、氷上摩擦力を発生。凍結路面での発進、ブレーキ性能を向上させている。
今回はFF、FR、4WD、そしてセダンからミニバンまで、あらゆるボディタイプ&駆動方式のクルマで試乗したが、それぞれの特性が素直に出るという印象だった。中でもアイスガード ファイブとの相性が好印象だったのは、セレナとプリウスだった。プロファイルの刷新は、省燃費のみならず、サイドのたわみが適正化されたことで、柔らかいゴムを使っているスタッドレスタイヤに見られがちなふらつきも改善され、車重の重いミニバンやハイブリッドカーでも直進性からブレーキまで高い剛性感と安定性が見られた。
スタッドレスタイヤを履くなんて、まだまだ先の話、と思っていると、あっという間にシーズンが到来してしまう。備えあれば憂いなし。そろそろ今シーズンのタイヤをチェックしてみてはいかが。
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