第二世代の「BMW M2」はカクカクしたデザインで視線クギづけ! 日本で1000万円を切れるかに注目
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 66
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初代の「M2」は2015年に登場したが、後輪駆動の「1シリーズ」(F87)クーペに直列6気筒エンジンを押し込んだハイパースポーツモデルで、本来は「M1」と呼ばれるべきであった。しかし伝説的なハイエンドミッドシップスポーツカーと同じ名前を掲げるわけには行かず、M2として発売されたのだ。
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しかし、コンパクトセグメントで縦置きエンジンによる後輪駆動というレイアウトは、昨今ではキャビンとトランクの広さでは不利なパッケージとなり、同時にプロペラシャフトなど重くて高価なパーツも必要になるなど、絶滅機種と言われてきた。それを裏付けるように、ベースとなる1シリーズは2019年から軽量プラットフォーム「UKL」を採用したFF(前輪駆動)となり、翌年2020年に4枚ドアの「2シリーズ グラン クーペ」(F44)が発売されるに至って、M2の次期型モデルには暗雲が立ち込めていたのである。
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ところが昨年、BMWは伝統の“マルニ”、すなわち「2002」の復活と位置付けて新型「2シリーズ」のフルモデルチェンジを敢行。「3シリーズ」に使われるFRプラットフォームの「CLAR」を採用し、エンジン縦置きと後輪駆動レイアウトを継承した2世代目の「2シリーズ クーペ」(G42)が誕生したのである。
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この2シリーズクーペをベースにした新しいM2(G87)は最新のMエンジン「S58」を搭載、最高出力は6250rpmで460馬力に達する。最大トルクは2650-5870rpmの間で550Nmを発生する。この直6ターボエンジンは官能的なサウンドを発することも実証済だ。
パワー伝達は後輪駆動のみで、「M3」や「M4」と違って4輪駆動は存在しない。スタンダードのZF製8速オートマチック、あるいはオプションで6速MTも選べる。かつてMTはエントリーモデル用のトランスミッションだったが時代は変わったものだ。
ダイナミック性能は0-100km/hの加速が8速ATで4.1秒、6速MTは0.2秒遅い4.3秒。最高速度は250km/hだが、オプションで285km/hまで引き上げることもできる。M2は燃費を云々する類のクルマではないが、8速ATの方が効率は良く、WLTPでは100kmあたり9.6リッターを消費する(約10.4km/L)。
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エクステリアデザインだが、未だに賛否が問われているキドニーグリルがM3やM4とは違って大型化されず、控えめなサイズに留まっている。しかし5角形で水平グリルを採用するなど、リアエンドのデザインも含め、ベースとなった2シリーズフクーペとの差別化は明らかに図られている。
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ボディ・サイズは全長458×全幅189×全高は140cmと旧M2と比べるとわずかに大きくなった。その結果、街乗りに適したコンパクトクーペとしてはやや大きな類に入ってしまった。
しかし、長くなったホイールベースはアグレッシブなドライブや高速域ではより確かなスタビリティの確保に貢献するはずである。1700kgという重量はちょっと課題だが、その理由は後輪駆動用のCLARプラットフォームがハイパワーのエンジンを搭載するためにさらなる剛性確保が必要になったからだ。
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現行型M2よりも高い快適性を確保シャシーはスポーティな走りを実現させつつ、旧モデルよりも高い快適性が確保されている。タイヤはフロントが275/35ZR19、リアが 285/30ZR20のミックスサイズを採用。リアアクスルはディファレンシャルも含め、サイズも形状もほぼM3から移植されたものと言ってよい。フローティングタイプのベンチレーテッドディスクブレーキと可変制御ダンパーは標準装備である。
インテリアで直ぐに目に入るのはアルカンタラが採用された標準装備のスポーツシートだろう。 ドライバーの前にはダッシュボードの半分以上にわたるカーブドディスプレイが広がっている。操作系はBMWの伝統であるドライバーオリエンテッドなレイアウトだが、時計反対方向に回る回転計を含め、慣れが必要なUIであることは確かだ。
日本では1000万円を超えるかどうかに注目ドイツでの価格は19%の付加価値税込みで7万2800ユーロ(約1070万円)と、M3より1万3000ユーロ(約190万円)安く、BMW内の序列では妥当だ。まだ日本での価格は発表されていないが、もしもこの円安で1000万円を超えるようだと、4ドアの「メルセデスAMG A45S 4マチック+」(871万円)や「アウディRS3セダン」(839万円)に対抗するのは難しいだろう。果たしてBMWジャパンはどんなプライスタッグを付けるだろうか? 来年3月の発売が楽しみである。
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