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マツダのファミリー向け新型SUV、CX-30に試乗。マツダ3を超える乗り心地だが気になるエンジンの非力感

ディーゼルの無反応感は気になるが今後の日本仕様に期待したい

続いて乗った1.8Lディーゼルと6速MTの組み合わせについては、ガソリンエンジンでも触れた6速MTとの相性の悪さが目立つ結果となってしまった。MTの場合、積極的に自分の意思でギアを選び、シフトダウンしてアクセルを強く踏み込み加速するシーンが増えるため、どうしてもその度に非力さを感じてしまうのだ。顕著だったのは、5速や6速で走っている時に再加速のためにアクセルを踏み込んだ時で、アクセルを踏んでから、体感的に1秒くらい無反応を感じてしまう。

要はアクセルを踏んでから、ターボが効き始めるまでのタイムラグがハッキリと分かってしまうのだ。さらにMTの場合はAT以上に反応の良し悪しが出てしまうため、今回のCX-30ではモロにマイナス方向に影響が出てしまったのが残念だった。加えて言うなら50kg重い車重、さらにはおそらく日本仕様よりハイギアードな欧州仕様のギア比も要因になっているのだろう。

しかし、その後に少しだけ乗ることができた1.8Lディーゼルと6速ATの組み合わせの印象は、さほど悪くなかった。常に駆動力が持続するATの場合、アクセルを踏み込んだ際も、MTのような無反応感はなかった。ただ、それでも全体的にディーゼルらしい力強さがMTよりも明確にあるとは感じられず、CX-30のパワートレーンとして魅力的か否かと聞かれれば、答えはノーだ。

ちなみに1.8Lディーゼルエンジンは最高出力が116psで、最大トルクが270Nmとマツダ3のそれと変わらないため、重量が50kg重いCX-30ではさらに力が欲しくなる。となると、結論としてはさらにハイスペックな2.2Lのディーゼルが欲しくなるし、ガソリンエンジンにしてもCX-5に追加された2.5Lターボがあったら…と想像してしまうのだ。

最後にCX-30とライバルを比較してみると、少なくとも同じクラスにおいては国産車、輸入車問わずナンバー1と言えるのではないだろうか? パワートレーンに不足感はあるものの、CX-30の特に内外装デザインの質感や走りの滑らかさや乗り心地、静粛性は群を抜いており、トヨタC-HRやホンダ ヴェゼルはもちろん、レクサス UXでさえも凌ぐのではないだろうか? また輸入車ではルノー キャプチャーやジープ レネゲード、メルセデス・ベンツ GLA、そして日本未上陸のフォルクスワーゲン Tクロスなどと比べても、CX-30の完成度の高さは光るものがある。

こんな具合で、CX-30はマツダの最新作らしい高い完成度を垣間見せたわけだが、やはりマツダ3の時と同様にパワートレーンに不満を感じる今回の欧州仕様の試乗となった。とはいえ、日本仕様ではまた印象は異なるだろうし、さらにまだ試せていないが、SKYACTIV-Xとの組み合わせによって印象が好転する可能性は残されている。その意味でも今後の日本仕様の試乗に期待だ。

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