ホンダ ヴェゼルに追加のツーリングは欧州仕様がベース。乗り味はどう違う?
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:菊池 貴之 2
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とはいえ、ヴェゼルでも全体の6割をハイブリッドが占める日本市場で、そのハイブリッドより高価なのに燃費性能もゆずる1.5リッター直噴ターボに、どれほどのニーズがあるのか……には疑問もわく。その点はホンダも「日本では全体の1割くらいを占めてくれれば……」とさほど強気ではない。このクルマに「さらなるハイパワーモデルを!」という市場からの声が大きかったのは、じつは欧州だという。
世界的なSUVブームとかいわれつつも、日本の場合は昨年の販売トップ10圏内にSUVは入っておらず、20位まで範囲を広げて、やっとC-HRとヴェゼル、そして日産エクストレイルがギリギリでランクインする程度(笑)である。対する欧州(EU)では、たとえば昨18年上半期の実績でいうとVWティグアンと日産キャッシュカイ、ルノー・キャプチャーがトップ10入りしており、さらにトップ20となると、プジョー2008と同3008、ダチア・ダスターも加わる。このように欧州ではB~CセグメントのコンパクトSUVの販売競争は、明らかに日本より熾烈である。
ヴェゼルに関しては、もうひとつ大きなトピックがある。ホンダの生産戦略の見直しにより、今後の欧州向けヴェゼル(HR-V)の生産拠点が日本の寄居工場に移されることになったのだ。ちなみに、これと最近話題の「英国スウィンドン工場の閉鎖問題」とは無関係。現在スウィンドンで生産されているホンダ車はシビックのハッチバックモデル(タイプRを含む)のみで、欧州向けヴェゼル(HR-V)はこれまでもメキシコ製だったからだ。
ヴェゼルの高性能ガソリンモデルは日本市場だけで考えるとビジネス的に微妙なところだが、欧州市場からの強い要望があり、しかもそれを日本でつくるとなれば「どうせなら日本でも売っちゃえばいい」となった。……というのが、乱暴にいってしまうと、このクルマが誕生した経緯らしい。
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