アウディ次世代エコカーe-tronとg-tronの完成度
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:アウディ ジャパン、アウディAG
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:アウディ ジャパン、アウディAG
この地を選んだ理由は、農場では動物の死骸や食べ残したモノから「メタンガス(CH4)」を多く含むバイオガスが発生するためだ。このバイオガスから「二酸化炭素(CO2)」とCH4を分離し、CO2は「水素(H)」と合成してCH4を作る。メタンガスは温室効果への影響がCO2よりも大きいので、このプロセスは一石二鳥だ。
この合成メタンガスをアウディは「e-gass」と呼んでいるのだ。問題は商業的に成り立つかどうか。ガソリン代の半分の移動コストが開発の目標である。このプロセスで合成されるメタンガスをアウディ「A3 g-tron」で走らせると、電気自動車やPHEVよりもCO2排出量は少なくなる。CO2が再び燃料となるのだから理想的なエネルギーシステムが構築できるわけだ。
実際に「A3 g-tron」を天然ガスで20万km走らせるときの総合的なCO2排出量を計算すると、製造時(30g)+走行時(113g)+天然ガス油田から燃料タンクまでの効率(25g)となり、あわせると168g/kmとなる(1km走行時のWell to Wheel効率)。これに20万kmを掛けると、3万3600トンのCO2を排出することになる。もし、アウディのe-gassを利用すると総合効率ではなんと60g/kmまで下がるので、1万2000トンのCO2排出で済み、なんと3分の1まで削減可能だ。
アウディ・VWはこうした先進的なエネルギーシステムを共同で研究開発するパートナーを募集しているので、日本のベンチャーも参画したらどうだろうか。
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