インプ・スペックC、さらに研ぎ澄まされた走り

WRX STIの未来はどこへ？

昨年7月のマイナーチェンジで、WRX STIにはこれまでのハッチバック以外に、4ドアセダンも用意された。そして今ラインナップ的には、WRX STIは2種類のボディを持っていることになる。だが、スペックCは現時点ではハッチバックのみに設定されるグレードとなっており、走りを極めたモデルはこちらに位置づけられている。

しかしこれから先を考えた場合、セダンにもスペックC同等のモデルが用意されるのではないかと予測できる。というのも既にスバルは今年のモータースポーツ活動の概要を発表しているが、その中で毎年参戦しているニュルブルクリンク24時間レースへの参戦車は今年からセダンのWRX STIがベースとなることがアナウンスされている。ゆえにここでの経験やノウハウがフィードバックされたモデルが登場しても不思議ではないわけだ。

さらにこれから先の未来を見据えたときにも、WRX STIというコンセプトは決して絶える事はないだろうと思える。確かに現時点では2.0リッターターボ＋AWDという形式が時代に照らし合わせると古さを感じるものになってきているが、今後はおそらくこの形式が環境と楽しさ気持ちよさを両立できる限界域になるようにも思える。そう考えたとき、昔からこの形式を極めてきたスバルだからこそできる“何か”があるではないか？ と思える。

WRX STIのような形式は欧米には不在のコンセプトとして、ランエボとともに注目を浴びてきた。そうしたユニークさは今後も時代にあわせて進化させて新たな価値観として通用するはずである。そしてその時までは、と僕は思いつつ、いま手にしているこのスペックCの、今でなければ絶対に味わえないかもしれない奇跡のような乗り味・走り味を存分に楽しもうと思ったのだった。