新型シビックタイプRに試乗。バランスの良さと高い完成度、ドライバー中心の”ホンダスポーツ”の真髄が詰まっていた
掲載 carview! 文:編集部/写真:市 健治 130
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コーナーが迫り、ブレーキペダルを強く踏む。2ピースブレーキディスクとブレンボ製キャリパーが車速を一気に落とす。フルブレーキ時はもう少しブレーキの剛性感が欲しい気もするが、コントロール性は非常に高く不満はない。世界屈指の難コースである鈴鹿サーキットを連続周回しても、ブレーキタッチにほとんど変化がないのはクーリングがかなり効いているからだろう。
個人的に感心したのは、ブレーキング時のリアのスタビリティの高さだ。鈴鹿の1~2コーナーは下り坂となっているためアプローチに不安がつきまとうのだが、200km/hオーバーからのブレーキングでもリアがどっしり安定するので安心してブレーキを追い込んでいける。リアウイングは先代と比べてシンプルな形状だが、ディフューザーと合わせて高いダウンフォースを発揮していた。
F1ドライバーが激賞するS字~ダンロップコーナーでは、マシンは終始ニュートラルステア。腕の立つドライバーであればもう少しリアがムズムズした方がタイムは出そうだが、筆者のようなアマチュアドライバーにとってはこのくらいがファンでちょうどいい。安心してグリップの限界を探りながらコーナリングを楽しめる。
新型シビックタイプRは、ミシュランと共同開発した専用タイヤを履く。街乗り~サーキットまで対応する特別仕様の「ミシュラン パイロットスポーツ 4S」が標準装着されるが、今回は補修パーツとして用意されるサーキット向けタイヤ「ミシュラン パイロットスポーツ カップ2 コネクト」が装着されていた。タイヤにはホンダの認証マークである「H0」が刻印されている。
タイヤサイズは265/30ZR19。先代より1インチダウンしたが、FF車としては異例の265サイズとなり新型シビックタイプRの高いコーナリングフォースに対応するべく剛性レベルを最適化したとのことだ。
実際に走ってみると、ミシュランの美点であるしなやかさはそのままに、高いレスポンスと高剛性を両立していた。オリジナルコンパウンドのおかげか、シケインではコーナーの内側から紐で引っ張られるような強烈なグリップ感があり、周回を重ねグリップレベルが低下しても非常にコントローラブル。滑り出しの過渡特性が穏やかなので限界域での挙動も掴みやすい。
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