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自動運転のキー技術、ダイナミックマップに注目せよ

自動運転では、GPSはあくまでも参考程度

「目的地付近に到着しました。ルート案内を終了します」。カーナビにそう言われて迷子になったという話をよく耳にする。現状のカーナビは“ラストマイル(最後の案内)”が苦手だ。位置情報の精度が足りないからだ。現在利用しているGPS(衛星を使った測位システム)は10m以上の誤差があり、高架線など高さ方向の位置情報にもムラがある。狭い路地を走って目的地のドアまでたどり着けるとは限らないのだ。

電波の届かないトンネル、自動車専用道路と一般道が重なる場所、あるいは一時的な通行止めや片側通行などもGPSナビの弱点で、ドライバーは結局、自分の目で判断している。今のところ、カーナビを使いこなすには道を知らないといけないという、なんとも情けない道路情報なのだ。これは今注目されている“自動運転技術”の開発にとっても問題で、事実、自動車メーカーはGPS情報をあまり重視していない。自動走行にはより高精度な三次元デジタル地図が不可欠だ。

だが、一筋の光も差し込んでいる。世界ではグーグル マップや欧州のヒア(HERE)が地図の提供会社として名乗りを上げているが、日本でも政府が中心となって推進する「ダイナミックマップ」が実用化される目処が立ってきた。自動走行のためだけでなく、道路交通情報や災害などの情報も併せて提供できると期待されている。

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