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新型日産エルグランド 3.5vs2.5、どれが買い?

オットマン+中折れ機能の採用で快適性が一段と向上

さて、新型エルグランドは床が低くなったため、運転席の座面高も従来型と比べると下がっている。ただ、従来型は乗り降りに問題があっても周囲のクルマを見下ろす感覚を好んだ人もいたに違いない。ライバルとなるトヨタのアルファード(ヴェルファイア)は、そんなエルグランドに対向してFFでありながらわざわざ床を高くしていたほどだ。

それだけに、新型エルグランドのドライバーはライバルから見下ろされることになりかねない。このあたりも日産は心得たもので、運転席の上下調整範囲を大幅に拡大。それを高めにすることで、ライバルの標準位置よりも視点が高くなるという。もちろん、本来の目的は小柄な人がより広い視界を得るための機能なのだけれど…。

運転席だけではなく、新型エルグランドは他の座席にも様々な配慮を加えている。なぜかといえば、マルチパーパスカーからマルチパッセンジャーカーに軸足を移してきたからだ。つまり、すべての乗員が快適であることこそ開発の最重要課題となったわけだ。

それを象徴するのが、助手席と7人乗り仕様の2列目席に採用されたオットマンだ。ただ、飛行機のファーストクラスなどの座席に用いられる足を床から浮かせて前に投げ出すためのオットマンとは異なる。足は床につけたまま、ふくらはぎを支えて負担を軽減することが目的となる。それに合わせて、背もたれもやや倒しぎみにすれば快適性は一段と向上。さらに、2列目席の場合は背もたれに中折れ機能が加わる。それを少し起こせば、他の乗員との会話を楽しんだり景色を眺めたりするのにちょうどいい姿勢となる。

走行中の姿勢としては、このあたりまでが限界だろう。足が床から浮くほどオットマンを上げたり、背もたれを倒しすぎたりするとシートベルトの拘束性が確保できないので万一の際の衝突安全性に大きな影響が及ぶ。また、足を浮かせると体重のすべてを座席で支えることになるので、クッションのストロークが減ってしまい座り心地の面でもかえって不利になることは覚えておいたほうがいい。

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