ル・マン、TTRSに探る、アウディ好調の理由
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:アウディジャパン、中野 英幸、菊地 貴之、Cedric Leherle
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:アウディジャパン、中野 英幸、菊地 貴之、Cedric Leherle
ふと気が付けばアウディは、いまやメルセデス・ベンツやBMWと肩を並べるどころか、むしろブランドの勢いでは既に2社を凌ぐ力強さと元気の良さを持ち合わせ躍進している。
昨年アウディは100周年を迎えたわけだが、その記念すべき年を俯瞰すると、ブランドの価値は10年前とは全く異なるものへ成長したといえる。かつては同じドイツのメルセデス・ベンツやBMWの影に隠れていた感も否めなかったが、いまや完全に御三家という状況であり、しかもその筆頭に位置している感すらある。
さらにそんな勢いの良さは、自動車業界はもちろん一般認識としても広がりを見せており、最近よく「なぜ元気があるのか?」とか「なぜ人気があるのか?」という質問を耳にするほど。しかも質問の前には必ず、「最近アウディって良いらしいけど」という前置きが付く。つまり多くの人にアウディは“いま勢いがあるブランド”だと認識されていると同時に、そんなアウディの勢いの理由に多くの人が興味を抱いている。
果たしてこの10年、アウディはどんな変化を経ていまに至ったのか? 振り返るとそこには実に興味深い理由があった。
ご存知のように「Vorsprung durch Technik/技術による先進」というアウディのブランド・スローガンは、長きに渡って使われており、アウディはメルセデス・ベンツやBMWにはない個性をテクノロジーの面で実現してきた経緯がある。事実、既に10年前の時点でも、独自の4WDシステムであるクワトロが多くの人に認知されていたのはもちろん、独自のアルミ技術であるASF(アウディ・スペース・フレーム)も手に入れていた。ただ、それでもまだ当時はメルセデス・ベンツやBMWの影に隠れた感は否めなかった。
しかしそんなポジショニングを変えるきっかけとなったのは、意外にもデザインだったわけだ。
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