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アウディQ5に試乗!常識を覆すフットワーク

得も言われぬ心地よさ

Q5のルックスはまさにアウディだ。誰が、どこから、どう見てもアウディにしか見えない。GLKからスリーポインテッドスターを、X3からキドニーグリルを取り去ったら…と考えるとうーんと唸ってしまうが、Q5からシングルフレームグリルをとってもアウディであることは一目瞭然だ。

 そう見える最大の理由は、A4アバントにきわめて近いイメージを持っていることにある。とくにサイドウィンドウのグラフィックあたりは完全に相似形。また、フェンダー周りの造形やDピラーの形状もA4アバントを彷彿とさせる。Cクラスや3シリーズのイメージを極力排除しようとしているライバルたちとは違って、Q5は素直に“背の高いA4アバント”を目指しているというわけだ。力強さや重厚感をSUVらしさと定義するなら、少々優しすぎるかなという感もあるけれど、その分、肩肘張らずに付き合えるのも事実。それに、A4アバントと並べてみれば、好きか嫌いかは別としてボリューム感の違いは厳然として存在する。

 ダッシュボードまわりは基本的にA4と共通。控えめなデザインながら、徹底的な質感の追求によって得も言われぬ心地よさを演出した空間は、まさにアウディの真骨頂である。だが、実際にシートに座ると、A4より19cm高くなったヒップポイントが、窓越しに見える風景を異質のものにしている。もう一点、A4との違いを強く意識させるのが大きな大きなドアミラーだ。4WDのトランスファーレバーがあるわけでもなく、SUVらしいゴツいパーツがあるわけでもないQ5にとっては、この巨大なドアミラーが唯一のSUVらしいパーツとなる。上下にかさのあるSUVにとって大きなドアミラーは機能的にもデザイン的にも意味のあるものだが、交差点での右折時、横断歩道を渡る歩行者を隠してしまいがちなのは気になった。Q5のオーナーになったら、くれぐれも右折時には、歩行者にご注意を!

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