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日産が開発を進める最先端の電動化&自動運転技術をレポート

双方向電力供給システムでNATCの電気代を年間50万円削減

EVは熱や機械的抵抗によってエネルギーが失われる比率が従来のICE(内燃エンジン)車よりも小さい分、空気抵抗が全体の効率を左右する比率が高い。要するに空気抵抗を削減すればICE車よりも効率アップに直結する。

このため、IDSコンセプトでは、通常の風洞実験やコンピューター・シミュレーションだけでなく、実際の路上で車両が受けている横風を当てるなどし、リアルな走行時の空気抵抗を減らす努力を重ねたという。日産の調査によれば、実際に路上を走行する車両は進行方向に対して4°の横風を受ける頻度が最も高いのだとか。その角度の横風がホイールハウス周辺で抵抗を生み効率を下げているため、対策を施したという。

NATCでは、社員が通勤に使うリーフ数台と建物に設置された双方向電力供給システムを繋ぎ、建物の電力需要に応じてリーフに残った電力を取り出し、あらかじめインプットされたそれぞれの社員の帰宅時刻までに再び電力をリーフに戻す仕組みを構築している。これにより、リーフを停電などの非常時のバッテリーとして使えるほか、クルマと建物の双方が、電気代の安い時間帯に貯めた電力を高い時間帯に使えるようになった。

建物の電気代の基本料金は使用量のピーク値によって決まる。双方向電力供給システムを使って、電力需要がピークに達しそうなタイミングでリーフの電力を総動員することでピーク値を減らした結果、NATCの電気代を年間50万円ほど下げることに成功した。

また、日産はNATC内に「4Rエナジー」というグループ会社を設立。同社はNATC社屋の一室に廃車となったリーフ24台分のバッテリーを集め、低価格の蓄電システムとして活用している。これによって双方向電力供給システム同様、建物のピークカットに貢献するなど、将来的に増えるバッテリーのリサイクル(2次利用)の可能性を研究している。

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