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新型ジムニー&ジムニーシエラ試乗 世界に自慢したいニッポンのオフローダー

スクエアな居住空間は思った以上に広い

新型はパッケージングに優れる。軽自動車は長さも幅も上限が定められているので、先代よりもすごく広くするのは不可能だが、新型は車高が増した上に車体上部の絞り込みがほとんどないボクシーなデザインを採用したため、ヘッドクリアランスが増した。

横開きのハッチゲート(運転席が右にあるのでヒンジを左にして欲しいのだが実際は逆)を開くと最後部にリアシート背もたれがあり、4人乗ったら荷物はほとんど入らない。しかし背もたれを倒すとフラットでスクエアな空間が広がる。特に荷室幅1300mmは立派。軽自動車に限らず小型車でも荷室幅が1300mmに達するクルマは少ない。期待せず、どれくらい幅が足りないのかを試すつもりでゴルフバッグを入れてみたら真横に収まって驚いた。ジムニーがゴルフに向いているというつもりはないが、この幅広さは何を積載するうえでもアドバンテージとなるはず。助手席の背もたれを前に倒すことができるので、その気になれば長尺物も収められるし、マットレスを用意すれば車内泊もできる。廉価グレードを除いてリアシートは分割可倒式なので、1~2人と大荷物、3人とそこそこの荷物、4人とわずかな荷物という具合に使い分けられる。

じゃあ幅広のシエラならもっと荷物が入るはずだと思っている方がいるかもしれないが、そうではない。シエラの全幅は1645mmとジムニーのそれ(1475mm)よりも170mm広いが、これはジムニーよりもタイヤを外側に配置し(タイヤ自体も太い)、その分を覆うオーバーフェンダーが装着されているからであって、ボディのつくりはジムニーと同じ。だから室内や荷室容量もジムニーと同じだ。乗車定員も4名のまま。ハスラーとクロスビーは同じように見えてそれぞれ専用ボディで広さはまったく異なるし、乗車定員数も違う。ジムニーとシエラで同じことをしても面白いと思うし、ジープ・ラングラーアンリミテッドのようにホイールベースを延長して5ドア化しても面白そうだが、スズキはそのことには興味がないようだ。

今回の試乗は時間と場所が限られていて、ジムニーもシエラも高速走行を試すことができていないので、これ1台で趣味と実用を兼ねることができるかどうかという総合的な評価を下せないのが歯がゆいが、一般道での挙動、悪路走破性、ユーティリティー性など、確認できた部分については不満がないどころか大満足。欲しいと思わせた。これがニッポンのコンパクトオフローダーの最新版だと世界に自慢したい。

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