「アルファード買うなら最安の“X”で十分」と言うと怒る人がいるらしい。でも実は“それがちょうどいい家庭”に確実に刺さるワケ

トヨタ アルファード

「安い代わりに地味」がX最大の弱点であり、魅力でもある

しかし世の中にうまい話というのは存在しないため、当然ながらXには弱点のようなものもある。その際たるものは「装備内容はアルファードらしいゴージャス感に欠ける」ということだ。

アルファードの2列目シートに採用されるエグゼクティブパワーシートまたはエグゼクティブラウンジシートは、同車の魅力を形作っている最大要因のひとつだといえる。しかしXは8人乗りであるため、2列目シートはごく普通のファブリック表皮を用いたベンチシートになってしまう。

またヘッドランプは上級グレードと同様の3眼LEDであるものの、オートレベリング機能は付いておらず、LEDクリアランスランプ（デイタイムランニングランプ機能付）とLEDコーナリングランプ、LEDシーケンシャルターンランプ、LEDフロントフォグランプも付帯しない。

そしてホイールは18～19インチではなく17インチの比較的凡庸なデザインのものが採用されており、インパネやドア内側のトリムは合成皮革巻きではなくグラファイトメッシュというよくわからない素材。さらにディスプレイオーディオは14インチではなく9.8インチになるなど、他にも探せばいくつか残念な特徴がある。