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シトロエンC5海外試乗記 第1弾、森口将之編UP!

プロポーションへのこだわり

いまやあのメルセデス・ベンツも影響を受けるぐらいだから、BMW3シリーズのデザインが現在のトレンドになっていることは否定できない。それにしてもサイドのプレスラインやリアコンビランプの造形は似ている。僕もそういう思いを抱いたまま、ポルトガルの首都リスボンで行われた国際試乗会に向かった。でもそこで出合った実車は、まぎれもないシトロエンに見えた。

フロントマスクやサイドウインドーの切り方がC4に似ていたせいもある。リアウインドーがC6と同じようにコンケーブしていたためもある。でも決め手はシルエットだ。ホイールベースが2815mmとこのクラスではかなり長く、フロントよりもリアのオーバーハングが短い。

昨年ロールス・ロイスのスタッフがファントムについて語った、「短いフロントオーバーハングと長いリアオーバーハングがらしさの秘訣だ」という言葉を思い出した。ファントムとC5の車格は大きく違うが、ロールスとシトロエンはその国の自動車文化を象徴する存在という点では共通している。それがプロポーションへのこだわりに表れている気がするのだ。

ボディサイズは4780×1860×1458mmで、現行型より40mm長く、80mm広く、22mm低い。前の旗艦XMより大きいことになるが、そう思えないのはシトロエンとしてはシャープなスタイリングゆえかもしれない。

エンジンはガソリンが1.8/2リッターの直列4気筒と3リッターV6、ディーゼルターボは1.6/2/2.2リッター4気筒と2.7リッターV6がある。いずれも現行型やC6でおなじみのユニットだ。それ以上に注目なのはサスペンションで、C6と同じハイドラクティブIII+(プラス)だけでなく、「メタリック」という粋な名前が与えられた金属バネもある。両者を選べるのはシトロエン初だ。

メタリックはガソリン1.8/ディーゼル1.6リッターに標準で、2リッターは両方選べ、それ以上ではハイドラクティブIII+のみ。今回の試乗車はいずれもガソリンのハイドラクティブIII+で、2リッター+4速ATと3リッターV6+6速AT。つまり日本導入予定の2車種そのものだった。

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