女子目線から見た◯と×。新型プリウスをまるも亜希子がチェックした
掲載 carview! 文:まるも 亜希子 /写真:小林 俊樹、トヨタ自動車 93
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女性からの評価は? 新型プリウスをまるも亜希子がチェックした
ハイブリッドを生まれ変わらせる、というエンジニアたちの強い意志のもと誕生した5代目「プリウス」。2代目の時にハリウッドセレブたちがこぞってレッドカーペットに乗り付けたこともあって、もはや女性たちの間でもその名は普通に会話にも登場するし、「ハイブリッドか否か」をいいクルマの判断基準とする女性たちが増殖したのもプリウスの功績だ。
ただ、そのおかげで軽自動車にまでハイブリッドが登場する今となっては、エコカーの代名詞的存在や、世界トップクラスの低燃費という栄誉だけではもはや積極的に選ばれない時代。だからこそ、まずこだわったのが「乗りたいと思わせる、一目惚れするデザイン」だという。
先代のフロントマスクはかなり斬新で最初はギョッとしたものだったが、それに見慣れてきた今、新型のフロントマスクは未来的で有機的な印象もあり、ジェンダーレスで好まれそうな気がした。
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惚れ惚れしたのは、真横や後ろ斜め45度から眺めた伸びやかなスタイル。スポーツカーまではいらないけど、古典的なセダンはイヤだという女性にもすんなりと心に響きそうだ。
しかも、ルーフのピークを後方に持ってきているのでAピラーはかなり傾斜しているが、三角窓をしっかりと確保し視界は従来よりも良くなっているという。
確かに、Uターンや車庫入れなどの取り回しもデザインのわりには思いのほかしやすい。リヤドアは頭をぶつけそうな低さではあるものの、80度くらいまで大きく開き、座ってしまえば足元スペースが広くゆったりできる。
クーペライクなスタイリングを優先し、ドアノブをCピラー付近に縦に配置しているが、開けやすさにもこだわり、バックドアのようなスイッチ式を採用。ほとんど力を入れなくてもカチッと一発で開けることができるのは、力の少ない子どもやお年寄りにも嬉しいポイントだ。
そして、デザインのこだわりはまだまだある。リアの横一文字のテールランプを実現するために、あえてトヨタのエンブレムを小さくしたり、ガラスルーフ装着モデルの場合には、アンテナをわざわざ一体成形して見た目の上質感をアップさせている。
低燃費を死守するために、軽量化だ空力だとデザインを犠牲にするのではなく、明らかに見る人の心を動かし、乗る人を満足させるためのデザインをしてきたのが新型プリウスなのだと実感した。
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対してインテリアはちょっとシンプル。センターコンソールにシフトノブやモード切り替えスイッチなど、走行に関係するものをまとめており、運転に集中するにはとてもよく落ち着く空間であることは間違いない。
でも、見ただけで心躍るようなモチーフだったり、思わず触りたくなるインパネや座りたくなるシートだったり、もう少し遊んでもよかったのかなと感じた。そこは今後、色や素材のバリエーションを増やす可能性も模索中とのことなので期待したい。
細かな使い勝手では、照明付きのグローブボックスや、横並びのカップホルダー、スマートフォンのワイヤレス充電にもなっているサイドスリットトレイ(Zグレードに標準装備)、ボトルが入るドアポケット、カードやコインなどをサッと置けるトレイなど、収納スペースはどれも使いやすそう。
ラゲッジ容量も410L(Uグレードは422L)と大きく、6:4分割の後席を倒すとハイブリッドは段差が残るものの、PHEVはちょうどフラットになった。
純正アクセサリーのデッキボードを装着すると、ハイブリッドでもフラットに使うことができる。センターコンソール後部とラゲッジ左側にAC100V/1500Wのコンセントがあり、非常時給電システムが全車標準装備なのは他のハイブリッドモデルではまだオプションが多いため、新型プリウスの美点となっている。
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走ってみると、2.0Lはひと踏みはじめからスッと速く、あっという間に制限速度に達するなめらかさ。市街地ではドライブモードがノーマルだと速すぎると感じるほどで、エコモードでちょうどのんびり走れる。
「ノア/ヴォクシー」や「シエンタ」に搭載されてきた「PDA(プロアクティブドライビングアシスト)」が進化して、道路脇の駐車車両や歩行者自転車を検知したとき、減速と共にステアリング操作もそっとアシストしてくれるようになり、これなら日常でのうっかりミスも激減するはず。
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低燃費なのは当たり前で、その上で速さ、気持ちよさ、使いやすさ、安心感もしっかりと手に入れた新型プリウス。登場から25年を超えた元祖エコカーの大変身は、これまで関心がなかった人にこそ強く響くのではないだろうか。
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