【日産の悩み!】次世代EVスーパーカーに「GT-R」の名前を付けられない“呪い”とは?
掲載 carview! 文:山本 晋也/写真:日産自動車 28
掲載 carview! 文:山本 晋也/写真:日産自動車 28
ジャパンモビリティショーでスポーツカーファンの注目をもっとも集めたといっても過言ではないコンセプトカーが日産「ハイパーフォース」でしょう。日産が展開した次世代EVコンセプト「ハイパー」シリーズのトリを務めるのにふさわしいインパクトと期待感のあるスタイリングは、まさに次期「GT-R」というのが多くの評価だったと思います。
果たしてハイパーフォースは次のGT-Rを示しているのでしょうか。いくつかのポイントから考察してみたいと思います。
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まず、日産の発表から「ハイパーフォース」のプロフィールを整理してみましょう。
基本コンセプトは、「究極のドライビングプレジャーを追求しながら、高い環境性能と日常での快適性を兼ね備えた次世代の高性能スーパーカー」というものです。
パワートレインはフル電動の4WD。進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を搭載し、バッテリーは全固体電池(ASSB)を採用。高強度カーボンを活用した軽量化車体に最適な重量バランスで搭載されます。地を這うようなスタイリングは、強力なダウンフォースを生み出す可変エアロを含む空力ボディとしてデザインされています。
モーターについては、インホイールタイプなのか、アクスルに配するタイプなのか明確ではありませんが、四輪合計での最高出力は1000kW(1360ps)と、まさに桁違いのモンスターマシンとなっています。
全体のイメージとしては現行GT-Rをポリゴン的に進化させた印象を受けますし、フロントグリルの中にはGT-Rでおなじみの白・赤カラーのLEDが点滅しているというのも、まさに次期GT-Rであることを示唆しているといえるでしょう。
ただし、これをGT-Rと呼ぶにはひとつの呪いを解かないといけないかもしれません。
最近のGT-Rファンは気にしない話かもしれませんが、昭和の時代には「GT-Rは6気筒エンジンを積んでいるべし」という不文律がありました。1969年に誕生した初代スカイラインGT-Rはレース由来の直列6気筒DOHC「S20」型エンジンを積んでいたし、1989年に復活した第2世代スカイラインGT-Rには直列6気筒DOHCツインターボ「RB26DETT」型エンジンが搭載されていました。
<1989年に登場した8代目のR32型スカイラインGT-R>
もちろん、現行のGT-Rもその伝統は受け継ぎ、ボンネット下には3.8LのV6 DOHCツインターボ「VR38DETT」が収まっています。
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じつは「GT-Rは6気筒エンジンであるべし」という話が広まったのは、1980年代です。6代目スカイラインが当時最強スペックの直列4気筒ターボ「FJ20」型エンジンを積むというとき、クルマ好きの多くは「GT-Rが帰ってくる」と思ったのですが、スカイラインの開発チームは、4気筒ターボを積んだスカイラインに、GT-Rではなく「RS」というグレード名を与えました。
<FJ20型直4ターボを積んだ6代目スカイライン2000RSは1981年に登場>
その理由が、6気筒エンジンでなければGT-Rとしてふさわしくない、というものだったのです。
日産ハイパーフォースは、冒頭でも記したように電動化時代の高性能スーパーカーです。四輪駆動のマルチパフォーマンススーパーカーというキャラクターであるならば、GT-Rという名前を与えるのが自然ですが、電動スーパーカーということは当然ながらエンジンは積んでいません。
なんらかのストーリーを立てて、「GT-Rは6気筒エンジンであるべし」という伝統、悪くいえば「呪い」を断ち切らないことには、ハイパーフォースを量産化したとしてもGT-Rの名前は与えづらい、しっくりこないということになりかねません。
実際、コンセプトカーであるハイパーフォースのリヤタイヤ前の部分には最高出力・全固体電池・四輪駆動制御を意味する「1000kW ASSB E-4ORCE」という金色のデカールが貼られています。この書体や色の雰囲気から、古くからの日産ファンであれば、前述した6代目スカイラインRSに同様の表現が使われていたことを思い出すでしょう。
<写真:6代目スカイライン2000RSを彷彿させるハイパーフォースのデカール>
1980年代に誕生、GT-Rと呼ばれなかった最強のスカイラインを連想させるディテールを2023年のコンセプトカーに使ったというのは意味があるはずです。おそらくハイパーフォースの担当者、そして日産自身も6気筒エンジンを積んでいない次世代スーパーカーにGT-Rの名前を与えてよいのか悩んでいるのではないでしょうか?
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