ロールス・ロイスより敷居が高いセンチュリー。その後席に乗れるVIPはどんな人々なのか?
掲載 更新 carview! 文:大田中 秀一/写真:大田中 秀一、編集部
掲載 更新 carview! 文:大田中 秀一/写真:大田中 秀一、編集部
後席だけでなく、運転席でも助手席でもそれぞれの物語が感じられました。
どんなことを考えながら運転しているのか。後席の主は何やら急いでそうだから、モードをスポーツプラスに切り替えて、わかってますよ感を演出してみようか、とか、眠ったみたいだから起こさないように運転スタイルを変えようか、なんて考えているのだろうか。
助手席では、この主を支えるのが自分の天命だと思っている秘書が座っているのか、なんでこんなやつを守らなければならないんだと内心おもしろくないと思いながらも周囲に目を光らせているSPが座っているのか、とか。
どの席にいても物語が頭に浮かぶ、そんなクルマでした。
社長や役員がセンチュリーに乗っているような会社に勤めている人は、何かの機会にセンチュリーの後席を体験し、いつかはこの席に座るポジションに行くんだと野望を持って欲しい。そう思う人が増えれば会社ももっと発展するでしょう。
いま座るポジションにある人には、ちょっとでも日本が良くなるようなことを考え、実行してもらいたい。大企業のトップなら、関係する中小企業の社長がロールス・ロイスに乗れるような、共に発展するような世界を考えてもらいたい。そうすれば、いろんな人が夢を持てるようになる。
そして、センチュリーの後席を卒業するころには、日経の「私の履歴書」に連載されたり「交遊抄(こうゆうしょう)」に登場したりという若干の名誉も得ると。(※どちらも各界の著名人を特集する連載記事)
平成も終わろうというこのご時世でこんな昭和の価値観はと笑われそうですが、土台の価値観はそうそう変わらないものだと思います。
センチュリーの21年ぶりのフルモデルチェンジは、ものづくりのやものづくりの心を引き継ぐ「式年遷宮(※読みは“しきねんせんぐう”。神社の社殿を定められた周期で造り替え、永遠性を保つこと)」の意味合いも大きいと、発表会の時の言葉にもありました。センチュリーの後席に座る人には、日本人の心や日本人の生きる道は何かということを後継者に引きついでいってもらいたいと思います。
そんな柄にもないことを考えてしまう、不思議なクルマでした。
自身、センチュリーに乗れるチャンスのある大企業に22年間勤めていたのですが、「なんでセンチュリーの後席を目指すようなサラリーマン人生を送らなかったんだろう」と、強く思いました。
この歳になると、同期や年齢が近い先輩後輩の人事情報が新聞に載るようになります。新入社員当時からの社内での生き方や苦労を知っている身としては、それを目にするたびにいろいろ思うところがあります。
そんな自分のサラリーマン人生の後悔の念に襲われた一日でした。
(ジャーナリストコラム 文:大田中秀一)
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大田中秀一(おおたなか しゅういち):自動車エッセイスト
ジャカルタで過ごした少年時代、バジャイ(現地の名物三輪タクシー)を無免許で走らせクルマに目覚める。インドネシア語と英語を操るトリリンガルで、某電池系大手企業の国際営業部、父が経営するインドネシア企業を経て、現在複数のクルマメディアに寄稿中。語学力と押しの強さを武器に、世界のモーターショー巡りをライフワークとし、バスにまで及ぶ知識は仙人の域。
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