ウラカン・ペルフォルマンテとアヴェンタドール Sの異なる味わいを堪能した
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:ランボルギーニ・ジャパン
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:ランボルギーニ・ジャパン
ただ最新のウラカンと比べてしまうと、残酷な話だがその走りは古い。100馬力パワーがあり、193kg重たいボディは慣性重量が大きく、その動きは機敏性に欠ける。そしてサスペンションやブッシュ類の柔らかさが、ブレーキング時に重たいリアセクションをぐらぐらと動かしてしまう。なによりシングルクラッチのミートがストレートでも強烈なショックを作り出し、乗り手の不安を盛大に煽る。
だが、しかし…。そのシャシーとエンジンとトランスミッションが、それぞれバラバラに動こうとする状況をなだめすかしながら、可能な限り速く走らせようとしたとき、そこには不思議なカタルシスが生まれた。言ってみればそれは、じゃじゃ馬ならしならぬ“猛牛ならし”。
猛牛と呼吸が合うようになると、一緒に走っていることが楽しくてならないのだ。特にウラカン以上に依存度が高いタイヤを新品に換えてからの走りは見違えた。まるでちょっと荒削りな赤ワインをグイッと飲むような、スリルと興奮と、ある種の気品が味わえたのである。
動的質感を何より優先するなら、ウラカンを選んだ方がいい。しかし背中にV型12気筒エンジンを背負うランボルギーニの魅力は、速さだけでは決して語れないのだと、今回の試乗で心から理解することができた。つまりこのアヴェンタドールは、伝説のランボルギーニであるカウンタックの正統後継者なのだ。伝統のシザースドアがウラカンに与えられなかったのは、そういうことである。
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