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プジョー5008、フレンチミニバンの実力とは?

今もっとも“プジョーしてる”

意外だったと言っていいだろう。望外のよろこびをもたらしたのが走りの気持ち良さだ。このプジョー5008、乗り心地が実に快適なのである。路面からのあらゆる入力をやんわりと受け止め、するりといなす。ユルいという言葉を使ってもいいかもしれない。これは当然、良い意味でのつもりだ。

実はこの5008、リアのトーションビーム式サスペンションユニットのマウントにオイル封入式のマウントを使っている。おそらく、これも大きな効果を発揮しているに違いない。

しかも、そんな乗り味のくせして、いざコーナリングに挑めば、ステアリング操作にノーズが遅れなく追従して、気持ち良く向きが変わっていく。路面の継ぎ目などでは、例のマウントが悪さをするのかリアが横っ飛びする感もなくはないが、まあそれぐらいは大目に見てもいいだろう。

走らせていて感じたのは、実は今のラインナップで、走りの面においてもっとも皆のイメージするプジョーらしさが濃いのは、このクルマかもしれないということ。ゆっくり流しているだけで、心いやされる感じなのだ。

エンジンはお馴染みの最高出力156psを発生する1.6Lターボで、6速ATが組み合わされる。その走りは期待通りで、特に低速域での粘り強さがドライバビリティの良さに繋がっている。車重がベースのPremium(プレミアム)で1570kgと意外と軽く仕上がっているのも、そんな感覚に繋がっているのだろう。

さすがに荷物を満載にしたり、7人フル乗車した場合には、それほど余裕たっぷりとは行かないかもしれないが、それでも決定的な不満には、おそらく繋がらないはず。どちらかと言えば、気になるのは燃費の方だろう。JC08モードで11.7km/Lという数値は、もう一声欲しいというのが正直なところだ。

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