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アルトラパン試乗。ウサギの皮を被ったオオカミ

ウサギの皮をかぶったオオカミ

油断していた。完全にウカツだった。小さく愛らしいウサギちゃんだと思って抱き上げたら、なんとそれはオオカミだったのだ。……試乗を終えた時の心境をたとえるなら、そんな状態である。羊の皮ならぬ、ウサギの皮をかぶったオオカミ。新型ラパンはそれほどに、見かけと中身のギャップが凄まじい。

しかしそれは、よく考えれば当然のこととも言える。初代ラパンが誕生したのは2002年で、実に6年ぶりのフルモデルチェンジだ。今回のベースとなったワゴンRでいえば、2003年に3代目が登場し、2008年9月に早くも4代目へと移行しているわけで、ラパンはそのまるまる一世代分を飛び越しての進化だ。見かけも中身も愛らしいウサギちゃんだったのが、逞しいオオカミへと変貌するに十分な月日が経っている。

ただし、ラパンの持つ基本的なコンセプトや軽自動車の中でのポジションは、初代と変わらない。つまり、20代前半を中心とする若い女性が「カワイイ、オシャレ!」と思うようなデザインをまとい、雑貨屋さんで売っているホーロー鍋のように、レトロ感覚だけど使いやすくて愛着の湧くような道具であり、乗っていてどこかホンワカとした気持ちになれる空間。そこには、新しいプラットフォームやエンジンを用い、時代に合った安全基準や環境性能をクリアさせつつ、そんなラパンらしさを「変えない」ことに苦悩した開発チームのこだわりがあふれている。

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