新型フォレスター試乗 “ターボ無し”で走りはどうなのか?
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:SUBARU
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:SUBARU
パワートレーンは従来の2リッター4気筒自然吸気と同ターボという組み合わせから、2.5リッター4気筒自然吸気と2リッター4気筒自然吸気+ハイブリッドの組み合わせに切り替わった。トランスミッションはキャリーオーバーのCVTが全車に載る。新型フォレスターは4グレードあって、価格的に下から3グレードに2.5リッター、最も高価なグレードに2リッターハイブリッドが載る。2.5リッターは現行レガシィシリーズに載るのと同じエンジン(スペックは少し高くなっている)で、レギュラーガソリン仕様。自然吸気らしく回転数に応じた素直なパワーの出方をするが、2リッターターボほどの力強さはない。ハイパワーな2リッターターボは歴代フォレスターに通じる魅力のひとつだったので、あれを楽しむことができなくなったのは寂しい。が、セールス面ではあまり貢献していなかったため、選択と集中の結果、ラインアップから消えた。
スバルが「e-BOXER」と呼ぶ、2リッターエンジンに組み合わせられるハイブリッドシステムは、先代XVに存在したシステムがベースだが、バッテリーがニッケル水素からリチウムイオンとなった。容量は約0.6kWh。発進から低速走行時にはモーター駆動、加速などの高負荷時にはエンジン駆動をモーターがアシスト、クルージングはエンジンのみの駆動となり、減速時にはエネルギーを回生する。JC08モードは18.6km/Lと、同じ2リッターハイブリッドの日産エクストレイルハイブリッドの20.0~20.8km/Lほどではない。今年登場するホンダCR-Vのハイブリッドもステップワゴンハイブリッドの25.0km/Lから想像するに(4WDだからこれよりは低いだろうが)もっとよいだろう。なのでe-BOXERの燃費性能はやや不満。このあたりに堂々とハイブリッドを名乗らない理由があるのかもしれない。
もちろん、加速時のモーターによるアシストははっきりと体感でき、そのフィーリングは心地よい。50km/hから80km/hあたりまで加速する際に、アクセルペダルをさほど深く踏まずともスッと加速してくれる。操作に対するレスポンスのよさもモーターならでは。しかし恩恵はそれだけといえばそれだけだ。全域で力強さを感じるわけではない。高速道路で追い越しをする際に80km/hから110km/hまで加速するような場面を想定してクローズドコースで加速を試みたが、望むほどのアシストは得られなかった。もちろん、その際にもモーターアシストは行われているが、絶対的なアシスト量が小さいので体感しにくいのだ。そういう場面では2.5リッターのほうがはっきりと力強い。自動車税に差は出るものの、2.5リッターエンジン搭載車をオススメしたい。
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