ゴルフGTI 登場、放っておくのはもったいない

一度はステアリングを握ってみるべし

冒頭で書いたように、新しいゴルフGTIは、特に走りに関わる部分において、様々な目をひく新機軸が採り入れられている。しかしながら、それらの役割はGTIらしさを更に一歩先に進め、また一歩深く掘り下げることであって、劇的な変化をもたらしているわけではない。あくまでも進化版である。

しかし、それは落胆の理由にはならない。その跳躍の幅は事前に想像していた以上。特にその操り甲斐にあふれ、そして懐も深そうなフットワークの出来映えには，久々に思い切り頬が緩んだ。ゴルフGTIが今のフォームとなった5代目以降、ワンメイクレースなどにも参戦してそれなりに沢山走らせてきたが、その中でも新型の走りの仕上がりは、もっとも魅力的だと断言できる。もっと走らせたい。書いていても、そんな気持ちになってきてしまうほどに。

クルマと言えば安全装備やエコ性能ばかりが話題になる昨今、ゴルフGTIのようなスポーツモデルは、今ひとつ元気が無くも映る。しかしクルマを走らせることに少しでも興味や関心がある人なら、こんな秀作を放っておくのはもったいない。とりあえず一度はそのステアリングを握ってみるべし、である。