アルヴェルやランクルオーナーが怯える「ゲームボーイ」ってなんのこと？ ハイテク盗難ツールの最新事情が凄かった

トヨタ クラウンエステート

新ツール「ゲームボーイ」が凶悪すぎる

そんななか、近年では「ゲームボーイ」という機器を用いた新たな手法が登場しているようです。

前出のある業界関係者は次のように話します。

「同名のゲーム機に似ていることからその名が付いたという『ゲームボーイ』ですが、正式には『キーエミュレータ』と呼ばれる機器です。

これは、クルマが発する微弱な電波を解析してスペアキーを作成するというもので、場合によってはものの数分でスペアキーが作成できてしまうといいます。

リレーアタックとは異なり、クルマの付近にスマートキーがある必要はないため、キーを電波遮断ポーチに入れるなどの対策は有効ではありません。

『ゲームボーイ』には複数の種類があるとされており、トヨタおよびレクサスの各モデルがおもな対象となっています。

特に、2024年に登場した最新のものは、現在販売されているトヨタおよびレクサスの主要モデルをカバーしており、そのなかには『アルファード』『プリウス』『クラウン』『ハリアー』『ランドクルーザー300』『RAV4』『RX』『NX』などが含まれているようです。

『ゲームボーイ』はアンダーグラウンドな市場で数百万円で販売されていると言われています。

これほどまでに高価な機器が登場しているということは、現代の自動車窃盗は高度に組織化された『闇ビジネス』となっていることを意味しています。つまり、生半可な対策では歯が立たないということです。

正直なところ、『ゲームボーイ』を防ぐのは簡単ではありません。

専門業者によって専用の対策機器を装着したり、車庫の防犯設備を強化したり、あるいはそれらの合わせ技をしたりと、考えられるすべての対策をおこなうほかありません。

該当するモデルを所有している人は、愛車の盗難対策についていま一度見直してみることをおすすめします」

自動車メーカーも盗難対策を強化していますが、窃盗犯とのあいだでイタチごっこが続いているのが現状です。

ただ、その手口を理解することは防犯対策の第一歩であるのも事実です。そのうえで、一人ひとりが防犯意識を向上させることがなにより重要です。

<終わり>

＜写真：トヨタ、レクサス＞