スバルWRX STIタイプRA-Rは希に見る刺激を持つも操縦性にやや難ありか
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:小林 俊樹
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だがいくら“後出しジャンケン”に負けたからと言って、WRXの魅力がなくなるとは思わない。S208のようなウィングや、STIの剛性パーツを盛り込めば、こうした状況は安定方向へと向くのかもしれない。しかし個人的な印象としては、S208と同じかさらにしなやかな足回りを組み込んで、ボディの剛性に合わせた操縦性を与えれば良いと思う。
そういう意味では、ヒール&トゥがやりにくいブレーキとアクセルペダルの高低差を埋めたり、やや遠いと感じられるシフトノブの位置をなんとかしてくれることの方が、硬くて俊敏な足回りを与えるより大切だと思えた。もちろんこれらは生産車の基本構造問題なのだが、スバルと密接な関係を持つSTIなのだから、その段階からドライバビリティにこだわって欲しいのだ。
速さはもう十分。必要なのは日常域から限界領域まで、ドライバーが安心して、思わず感動してしまうようなバランスと接地性、そして操作性を与えることだとボクは思う。スバルWRX STI タイプ RA-Rはヤワになったスポーツカー市場において希に見る刺激的な1台であり、チューニングのベース車として考えれば文句のつけようもないスポーツセダンだ。
しかしまだまだSTIにはやれることがある。だから、もう一回くらいコンプリートモデルを出して欲しい。限定500台の争いに漏れたファンのためにも、それは素晴らしいことだと思うのだが、どうだろう?
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