【大ヒットも納得】値段相応な点もあるが…スズキ新型「フロンクス」は装備も走りもライバルより神コスパ
掲載 carview! 文:編集部/写真:篠原 晃一、スズキ株式会社 36
掲載 carview! 文:編集部/写真:篠原 晃一、スズキ株式会社 36
走る・曲がる・止まるというクルマの基本性能こそフロンクスの真骨頂だ。駐車場から出る際には、最小回転半径4.8mという小回り性能が光る。タイヤ径が大きくなりがちなSUVにあって「ソリオ」や「スイフト(FF)」と同じ値に収めたのはスズキの意地だろう。
安価なクルマ特有のハンドル・アクセル・ブレーキといった操作系の遊びもほとんどなく、どっしり安定系の乗り味は運転していて安っぽさを感じないし安心感がある。走りの質で見れば、ヤリスクロスといった一回り大きなモデルにも全く引けを取らない。
ただし、マイルドハイブリッドを搭載しているとは言えそこはやはりあくまでも補助。正直エンジンの非力さは否めない。「スポーツモード」を駆使したりパドルシフトで任意のギアを選び走ればそれも解消されるのだが、フルハイブリッドをラインアップするライバルと比べガソリン一択のパワートレインはほぼ唯一と言っていいフロンクスのディスアドバンテージかもしれない。
そんなフロンクスの価格は254万1000円(FF)/273万9000円(4WD)。
モノグレードというのがやや残念だが、先に述べた通りタマの取り合いという中供給を安定させるため致し方ない面もあり、40~50万円の装備が最初から付いてくると考えると装備内容・クルマとしての基本性能ともに神コスパだ。もちろん細かく見ていくと値段相応の部分は無きにしも非ずだが、ライバルと比べてもコンパクトSUVマーケットにかなり強力なプレーヤーが登場したことは間違いない。
一昔前の海外生産モデルは安かろう・悪かろうだったが、開発者によると先に述べたグジャラート工場は、最新の設備を導入し日本のメンバーがイチから立ち上げたそうだ。品質チェックは日本クオリティで行われ、さらに日本に届いたらもう一度チェックする念の入れようだという。
インドでは、家族を安心して乗せられるというのが最重要視される価値だそうだ。そしてフロンクスはまさにそこが評価されインド最速の販売記録を達成した。日本でも受注は1万台を突破し、これまであまりスズキに縁のなかった若年層の支持も獲得しているという。
筆者のような一介のクルマ好きがつまらん御託を並べるよりも、消費者に支持されているというリアルこそ、このクルマの評価を端的かつ雄弁に語ってくれている。フロンクスにはスズキの良さが全て詰まっている。
(終わり)
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