ランエボ譲りの動作に感心。三菱の味を突き詰めたSUVエクリプスクロス
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:菊池 貴之
マツダ、スバル、トヨタなど、最近は「自分たちの走りとはなにか」を追求する商品づくりをアピールする日本メーカーが多い。聞けば、今回のエクリプスクロスの開発でも、三菱のあるべき走りを再定義して「ブレーキングからハンドリング、そしてアクセルワークにおける“味”にこだわり、“コーナーでの車体姿勢はこうじゃないといけない”という三菱の味を突き詰めた」のだそうだ。
言われてみると、スロットル操作に対するヨーの出方などには、あのランエボを思わせる味を感じないでもない。新開発の1.5リッターターボはそれ単体では十二分にトルキーだが、正直にいうと、エクリプスクロスの高いシャシー性能の前にはまったく物足りない。こうしてエンジンを完全に支配下に置きつつも、ランエボを思わせる積極的な曲がりを演出する調律にはちょっと感心した。
この自然吸気2.4リッター級のエンジントルクでも微動だにしない操縦安定性には、印象的なほどがっしりとした車体剛性も寄与しているはずである。いかにも重厚な剛性感や静粛性は、いい意味でたっぷりと質量がかけられているGSプラットフォームならではの美点だろう。その分、昨今のクルマとしてはウエイトが重めなのは否定しないが、少なくとも乗り心地や剛性感の面では、その重さはメリットになっているように思える。
エクリプスクロスはその乗り味やデザイン、そして車内インフォテイメントシステムなど、限りあるコストの中でも「三菱のクルマとはなにか」を真面目に問いかけながらつくられたのは間違いない。
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