「ライドシェア解禁をタクシー利権が妨害している!」論が語らない“日本の闇”。タクシー不足の真の理由とは?
掲載 carview! 文:山本 晋也 131
掲載 carview! 文:山本 晋也 131
一方、深刻なドライバー不足から、とくに地方では公共交通機関としてのタクシーが機能しなくなってきているという実情があります。その原因を一言でいえば「タクシードライバーでは稼げないから」。
タクシードライバーの平均年収を見てみると、一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会による『令和5年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況』によれば、令和4年のタクシードライバーの平均年収は418万9900円(推計値)。
前年比では16.0%増加しているのですが、同レポートでは全産業労働者の平均賃金を506万9400円と推計しています。つまりタクシードライバーはけっして割のいい職業とは言えないわけです。
仮にライドシェアが完全解禁になったとすると、従来のタクシーよりライドシェアのほうが安価な利用料金が期待されているわけで、ライドシェアのドライバーは現状のタクシー運転者よりさらに低い賃金で働かされることになります。はたして、こうした状況でライドシェアに多数のドライバーが参入するでしょうか?
日本版ライドシェアには、とくに公共交通が破綻しつつある地方で、住民の移動を確保するためのソリューションという重要な狙いがあります。しかし、ライドシェアの普及によって誰でも自由に参入ができるようになったとしても、わざわざ高齢化が進んだ地方でサービスを提供するドライバーが増えるのか? と言えば不安にならざるを得ません。
もちろん、都市部ではフードデリバリー専業で稼ぐ人も多く、それなりの収入も実現しています。こうしたエリアでライドシェアが完全解禁されれば、ライドシェアで稼ぐ人が増えるかもしれません。
しかし、日本全体を見たときに“海外並のライドシェアの解禁”が、地方の移動を支えてくれるかと言えば疑問です。
地方の移動を支えることが最重要なのであれば、ライドシェア解禁よりも先に、タクシードライバーの賃金やタクシー会社の収益を上げるための施策を練るが有効かもしれません。また、税収や行政との親和性という面からも、海外の大手事業者ではなく、タクシー会社の運営が前提になっている現状の限定的ライドシェア解禁には一定の合理性があることになります。
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