日本上陸した「EQE SUV」のAMGに速攻試乗した! 買うには覚悟も必要だが…
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office、ダイムラーAG 25
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office、ダイムラーAG 25
日本国内市場で2022年には5万8813台のBEVが販売された。前年比の2.7倍、全乗用車新車販売台数の1.71%と、いずれも過去最高と自画自賛している。しかしこれは井の中の蛙状態で、自動車先進国のドイツでは同じ時期に47万559台のBEVが新たに登録されたが、これは同国における新車販売の17.7%に相当する。実に日本の10倍にあたる占拠率である。
このポジティブな傾向のもっとも大きな要因は100万円近い購入補助金と充電インフラの充実などが挙げられる。さらに選択肢の拡大もある。ドイツ市場では国産、輸入モデルを含めてなんと80機種におよぶBEVが販売されているからだ。
こうした背景の中、ドイツメーカーの日本市場への進出も積極的だ。特に、2035年以前にはICE(内燃機関搭載)モデルの販売を止めようと計画しているメルセデス・ベンツは、8月25日にCEOのオラ・ケレニウスを日本へ送り込み、電動シリーズの中核となる「EQE」のSUVバージョンを発表した。注目すべきはトップモデルの「メルセデスAMG EQE 53 4マチック+ SUV」で、ベース価格は1707万円、今年10月下旬からのデリバリーを計画している。

<写真:来日したオラ・ケレニウスCEO>
我々カービュー取材班はすでにアメリカ西海岸で開催されたメルセデスAMG EQE 53 4マチック SUVの試乗会に参加しており、その模様をさっそくレポートしよう。改めて紹介するがメルセデスAMG EQE 53 4マチック+ SUVは昨年発表されたEQシリーズの中核となる「EQE」のSUVモデルに加わったAMGバージョンである。
>>EQE(セダン)ってどんなクルマ? 価格やスペック情報はこちら
>>EQE(セダン)のユーザーの評価はこちら
>>EQEの気になる点は? みんなの質問はこちら
ボディサイズは全長4.88×全幅2.02×全高1.67m。スタンダードEQEとの外観上の差はボンネット先端のAMGバッジ(リンゴの木とカム&バルブを組み合わせたエンブレム)、フロントダミーグリルのパナメリカーナ縦格子グリル、大きく開いたエアインレットを左右に配したバンパースカート、ホイルアーチやサイドシルの専用フィニッシャー、クローム製のリアバンパーフィニッシャーなどだ。
一方、フロントやルーフを見ても大げさなスポイラーやデュフューザーなどのエアロパーツは控えめである。ボディ全体のフィニッシュは問題ないのだが、ちょっとがっかりしたのはリアゲート内側のフィニッシュで、溶接の合わせ目の処理はやや雑、さらに開けたときに目に入る位置にはボルト&ナットが剥き出しである。

<写真:EQE 53 4マチック+ SUVのドア内側のボルト>
もちろん防錆素材だが軽く1500万円を軽く超える高級車には相応しくない。ちなみにアウディは同じような場所のボルトはボディと同色に仕上げている。
一方、インテリアの品質と仕上げは全く問題なく、ラグジュアリーな雰囲気の中でホールド性に優れたスポーツシートに収まり、太めのステアリングホイールを握り、標準装備のハイパースクリーンに映し出された専用アイコン&プログラムを見るとまさに「ウエルカム・トゥ・AMG!」だ。

<写真:EQE 53 4マチック+ SUVのインパネ>
搭載される2基の電気モーターによるシステム最高出力は687馬力/505kW、最大トルク1000Nmで、およそ2.7トンのボディを0-100km/hまで3.5秒で加速、最高速度は240km/hに達する。
走り出すとV8に代わって人工電子音が響いてくる。個人的な好みもあると思うが、サウンドが必要なオーナーはエンジンモデルの「GLE 63AMG」を買うべきだと思う。本物のV8サウンドを楽しめる時間はまだ残されている。
しかしEQE 53 SUVの加速は圧倒的で、信号が青に変わると素早く加速して好きな車線を確保するというアメリカ流のシグナルGPでは常に先頭に立つことができる。さらにアメリカ特有の法規、特別な制約がない限り赤信号でも常に右折が許可されている交差点では、一瞬の間隙をついて安全に素早くこれを可能にする。
駆動システムは4マチックプラスで前後のモーターが状況に応じて可変トルク配分を行う。テストデイは直前に降ったにわか雨でウエット、さらに海岸の砂が風で飛んできた路面もあったが、絶妙な後輪重視バランスで安定したドライブを可能にした。もちろん砂地や泥濘地、さらに荒れた登坂路など本格的なオフロードにも対応可能だ。

一方、搭載される電池容量はEQE 350+SUVと変わらず90.6kWh(ネット)で、それゆえに航続距離は最大で580kmと65kmほど短い(日本での発表ではWLTPで470km)。充電時間はアメリカの直流急速充電システム(173 kW)では15分で170km、30分ではおよそ370kmを稼ぐことができた。ただし家庭用のウォールボックス(11kWAC)9時間45分も掛かる。この辺りはまだ問題なしとは言えないだろう。
メルセデスAMG EQE 53 4マチック+ SUVは未だにBEVにとって条件が完全に揃っていない日本での使用に際してはそれなりの覚悟が必要だが、環境保護という意味で近未来を先取りした自動車であることは間違いない。しかもそこにAMGの要素が入ったことで、オーナーにとっては自分へのご褒美も兼ねる。お財布の中身と周辺の環境が整っている人にはうってつけの存在になるだろう。
>>EQE(セダン)ってどんなクルマ? 価格やスペック情報はこちら
>>EQE(セダン)のユーザーの評価はこちら
>>EQEの気になる点は? みんなの質問はこちら
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
2026年発売! 新型「全長4.7mちょうどいいSUV」日本初公開に反響殺到! 「街中でも映えそう」「本気度が伝わる仕上がり」の声も! “日本専用装備”も魅力のヒョンデ新型「ネッソ」に注目!
ジェイズ・コーポレーションが兵庫県のセントラルサーキットの全株式を取得。ピットや観戦環境の改善、コース延伸も将来計画
「全国の食材が集まるレストランは本当にすごいのか?」壱岐島・半径10kmのフレンチ「彼は誰(かはたれ)」が翻訳する“島のリアル”とは
ルノーとフォード、欧州でEV・商用車の戦略的提携を発表…2028年から新型EV投入
ツーリングも、スポーツ走行だって楽しめる“万能”さが際立つよね! 国産ミドルクラス「スポーツツアラー」3選
スズキ新型「コンパクトSUV」まもなく発売! 今なら「87万円オトク」な“4WD仕様”がイイ! 全長4.3mボディに「ガラスルーフ」など装備充実! “メーカー初パワーユニット”搭載の「eビターラ」最高級モデルって?
自動運転の路線バスに乗ってみた! 安心感はあれどベテラン運転士の域まではもう一歩!!
【グレカーレ エッセンツァ】人生に一度、マセラティを【九島辰也】
吼えろVTEC! シビックタイプR(FD2)の迫力満点ミニカー登場! スパルタンな再現度にシビれろ!
シリーズ最大排気量!! ホンダ初代「CB1300スーパーフォア」は5つの感動性能で爆誕
カワサキの新“ハイパフォーマンスネイキッド”「Z1100」のディテールとは?“凄み”を増したルックスが精悍すぎる! 高度な電子制御で走りにも期待大
知的なステーションワゴン──新型アウディA6 アヴァントe-tron パフォーマンス試乗記
販売終了から1年半、三菱「RVR」復活か。コンパクトSUV「エクスフォース」の国内仕立て説が濃厚
「ヤリス」がついに“電動パーキングブレーキ”搭載。2月の改良で大型ディスプレイも採用して装備充実だが…コスト高で廃止される機能も
【販売網は他社の4分の1なのに売れすぎ】三菱「デリカミニ」が受注1万台超。“300万円級デリマルパッケージ”がオーダーの7割弱という異例の人気ぶり
新型トヨタ「ハイラックス」にワイドトレッド仕様の「GRスポーツ」が加わるか…オーストラリアで早くも話題に
スズキで一番売れている登録車は「ジムニー」でなく「ソリオ」。なぜ快進撃を続けるのか? 両車を深掘りして見えた“解”とは
新型「エルグランド」「パトロール」国内投入の真意。復活の青写真は? エスピノーサCEOがメディアに語った日産の未来
【新型「RAV4」、今買うと後悔?】納期“2年待ち”の可能性。一方で次期「ハリアー」は“日本専用&国内増産”で大本命かもしれないワケ
新型「ES」受注開始は年明け以降か。販売店に問い合わせ増も、ネットでは巨大サイズに厳しい声…成功の可否は「LS」の動向次第?
【どうなる?】合併破談から1年。日産とホンダの共同開発協議が再び報じられ“米国向けV6ハイブリッド”の行方が注目される展開に
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!