【なぜスズキは作らない？】かつて存在した「ジムニーピックアップ」が商品化されない本当の理由。技術的ハードルと“ジムニーらしさ”の限界とは

ジムニー・ピックアップトラック 予想CG「画像：APOLLO NEWS SERVICE」

ファン制作のCGはまさに理想形。2ドア／5ドアの“夢のピックアップ”が話題に

一方で、こうした噂に応えるように、2人のCGクリエイターが制作した「ジムニー・ピックアップトラック」の想像図が公開されています。2ドア版と5ドア版が描かれており、特に5ドア版ではホイールベースを延長してリアベッドを確保するなど、ピックアップ化に必要な構造変更がしっかりと盛り込まれています。

リアオーバーハングも大幅に伸ばされ、全長は3985mm とコンパクトながら、荷台を備えたプロポーションを実現。これは、ノマド比で＋95mm、シエラ比で＋435mmに相当します。

デザインモチーフはジープ「グラディエーター」に通じるもので、目立つテールランプやステップ一体型リアバンパー、「SUZUKI」ロゴを刻んだテールゲートなど、実在モデルさながらのディテールが再現されています。

もっとも、CGの世界では数時間で実現できるピックアップスタイルも、実車として市販化するには極めて高いハードルが存在します。フレーム構造、エンジン特性、積載能力、重量バランス、価格設定、安全規制など、ジムニーらしさを保ったままピックアップ化することは容易ではなく、現実的にはかなり難しいと言わざるを得ません。

ファンの期待が大きいテーマではありますが、少なくとも現時点では、スズキはジムニーのピックアップトラックを正式に計画していない…。これが今回の結論です。

（終わり）

（写真：APOLLO NEWS SERVICE、スズキ、ジープ）