フライングスパー、極上サルーンに中国で試乗
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:ベントレー モーターズ ジャパン
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:ベントレー モーターズ ジャパン
インテリアの意匠はコンチネンタルGTに似ているが、ダッシュボードのウッドパネル面がそのままドアまで連続しているのが目新しい。実はこれ、ご先祖様である1950年代のベントレーS2をモチーフとした造形。ファンをにやりとさせる演出である。
そのドライバーズシートに身体を滑り込ませて早速走らせると、すぐに走りっぷりが従来より明らかに洗練されていることに気付いた。その心臓である最高出力625psを発生する6リッターW12ツインターボは、コンチネンタルGTスピードと共通のもの。しかしながら音はそこまで野太くなく、ピックアップも角が微妙に丸められていて、獰猛な匂いが薄められているが、その分、吹け上がりには艶やかさがプラスされ、サルーンに相応しいより上質な手触りとなっている。
しかも燃費や環境性能も向上。8速ATとの組み合わせでEUモード燃費は14.7L/100km(約6.8km/L)と、従来より13%も効率を高めているのだ。
快適性の向上ぶりにも驚かされた。フワフワなわけではなく心地良く引き締まっているのだが、大きめの入力に遭遇してもズシンと響くことはなく、しなやかにいなしてくれる。特に後席の居心地の良さは極上。「試してみる」と陣取った人、皆がすぐに寝息を立て出したほどである。
実際、エアサスペンションは制御が見直され、更にはバネ定数、アンチロールバーの剛性は10%以上、各サスペンションレバーブッシュに至っては25%以上も柔らかくされているというから、それも納得。ごく稀にバネ下の重さに対してブッシュが柔らか過ぎるのでは? と思う瞬間もあったが、試乗車が21インチタイヤを履いていたことを考えれば、驚異的な乗り心地を実現している。
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