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レガシィS402ワゴン試乗 これぞ、究極のスバル!

ベースモデルを忘れる

走り始めた瞬間から、そのフィーリングに驚愕する。ステアリング、ペダル、シフトレバーと全ての操作系を通し、このクルマの持っている極めて滑らかで優れた感触が余すことなく伝わる…。S402と名付けられたそのモデルは、ベースとなるスバル・レガシィを一瞬忘れてしまうほどの圧倒的に優れたフィーリングを携え、ドライバーを魅了する力を持っている。果たして、こんな国産車が他にあっただろうか? とすら思えてしまうほどに、である。

2007年8月にSTIから送り出されたS402の前身モデル「tuned by STI」は、期間限定受注で600台が販売されたが、期限の2008年2月を待たず2007年内に完売した。売れた理由は、このモデルが歴代モデルとは大きく異なっていたからだろう。かつてスバルの車両実験部に在籍していた走りのマイスター・辰巳英治氏がSTIに移籍し、氏が開発の中心となって“違い”を生みだしたのだ。

かくいう僕も初めて「tuned by STI」を走らせた瞬間、「国産スポーツセダンの域を抜けだした」と思える感触に感動を覚えた。そして走り終えて辰巳氏に話を聞くと、「tuned by STI」は富士重工でノーマルのレガシィを知り尽くした氏が、STIでメーカーの制約を受けることなく走りのバランスを徹底的に調律した1台であると分かった。自動車メーカーが送り出すノーマル車は実に様々な基準が設けられ、時にそれは走りの性能追求に対して足かせにもなる。しかしSTIならば、そんな基準から離れて足かせナシに、思うがままに走りの性能追求ができる。辰巳氏はそうした環境を最大限に活かした。そしてあれから1年……STIはついに、6年ぶりとなるレガシィをベースとした「S」シリーズ、『S402』を送り出したのだ。

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